二十八話:歴史と日常
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」
「……お前の思考はどこで化学変化を起こしたんだ」
何故かハリーだけでなく周りの全員から呆れた目で見つめられてしまう。
おかしいな。俺は大真面目に考え事をしていたはずなのに。
「本当にあなたはしんみりとした空気を壊すのが得意ですわよね」
「そんなに褒めるなよ」
「褒めていませんわ!」
呆れた様に話すヴィクターにボケをふってみるが結構マジなチョップが飛んできて焦った。
地味に魔力を纏わせてあるから当たるとビリビリ痺れて痛いんだよな、あれ。
「まあ、偶には真面目に話してみるか」
「……すいません、鳥肌が止まりません」
「エルス、お前もか」
体を抑えてガタガタと震えるエルスに俺の信用の無さを悟る。
もう嫌だ。こいつら俺を馬鹿にしすぎだろ。
普段相手を馬鹿にしている代償? そんなものは知らない。
「ま、良いか悪いかは置いておいて歴史上の人物がどう思っていたかを知れるのはいいことじゃないか。俺は好きじゃないけど」
「良いか悪いかは置いておくんじゃなかったのかい?」
「好きか嫌いかは別に言っていないだろ」
「そう言ってまた私を誑かすつもりなんだね…ッ」
「この上なく無実の罪をなすりつけられる俺の気持ちを考えたことがあるか、ミカヤ」
いやいやと自分の体を抱き寄せてその豊満な胸を押し上げるミカヤをジトリと睨みつけるが効果は無い。
みんなは俺がシリアスブレイカーみたいな言い方をするが原因の二割八分三厘ぐらいはミカヤのせいだと思う。
「ゴホン、話を戻すとだ。後世に伝わる歴史なんてどちらかの主張が取り入れられただけの物が多いからな。直にその時代に生きた人間から情報を得られるのは有益じゃないのか。嫌いだけど」
「あの……言い辛いならリヒターさんの主観的な意見で良いと思います」
「いいや、歴史を語る時は中立的に話さないといけないんだ。本来はな」
俺の意味あり気な台詞に提言してきたリオちゃんが首を捻る。
中立的に語るのが本来の歴史であり、もっとも真実に近い。
でも、現実はそうならないことが多い。
「大体の場合、権力者や戦勝国は自分にとって不利になる歴史は残さないし、改ざんしたりする。その結果後世には真実が伝わっていないなんてことは結構ある。だから何の加工もされていないその時代に生きた人間から情報を得られるのは有益だというわけだ」
「……ジーク、こいつ本物か?」
「待って、私でも不安になるんよ……」
「お前らちょっとそこに直れ」
ハリーが遂に俺が偽物ではないのかと疑い始めジークも不安そうに俺の方を見つめている。
だが一番傷つくのは純粋に俺の心配をしているヴィヴィオちゃんとアインハルトちゃんがどの病院に連絡するべきかノーヴェさんに相
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