二十八話:歴史と日常
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おまけ〜もしもジークの女子力が完璧だったら〜
今日も今日とて睡魔との死闘を潜りぬけて来た俺は重い瞼をこすりながらリビングへと向かう。
すると、芳醇な味噌の香りが漂ってくる。
「おはようさんや、リヒター」
「ああ、おはようジーク。毎朝悪いな」
「ええんよ、私が好きでやってるんやから」
純白のエプロン姿で味見をするジークを見つめながら俺は席に着く。
ジークは味に納得が言ったのか満足そうに頷き皿に注ぎ分ける。
因みにジークが地球で言う和食が好きなために朝は大体ご飯に味噌汁、そして焼き魚になっている。
作ってもらっている立場なので特にリクエストはしない。
『いただきます』
そろって手を合わせて静かに食べ始める俺達。
まずは一口味噌汁を口に含む。ホッとするような味わいが口の中に広がり心まで温めてくれる。
「美味い……」
「えへへ。リヒターにそう言ってもらえると嬉しいわー」
「毎日同じセリフしか言っていない気がするがそれでもいいのか?」
「毎日、私の料理を美味しいって思ってくれとるんやろ。それって幸せなことやん」
本当に嬉しそうに笑うジークと目が合わせられず、そうか、と呟いてご飯を食べるのに集中する。
何となく首筋が熱い気もするが気のせいだろう。
それとジークが俺の方を見てクスクス笑っているのとは無関係のはずだ。
『ごちそうさま』
同時に食べ終わり二人で一緒に皿を洗う。
元々一人暮らし用のキッチンなので手狭なのは仕方がない事だろう。
お互いの肩が触れ合い暖かさを感じ取れるのも仕方がないことだ。
「いつかもう少しデカい家に引っ越さないとな」
「私はこの距離感の方が傍におられて好きやね」
「そうか……なら、もうしばらくはこの家でいいか」
そこまで言った所で気づく。ジークと一緒に住むことを前提として考えている自分に。
ま、まて、何もこれは俺とジークが結婚するというわけで考えたわけじゃない。
ただ居候として考えているだけで―――
「でも……リヒターが私との将来を考えてくれとるのは嬉しいわ」
「あ、ああ」
はにかむ様に頬を染めて笑うジークに反射的に返答してしまう。
ダメだ……俺にはこいつの笑顔を曇らせる行為は出来ない。
「それじゃ、私は今から掃除機かけるから休んどってーな」
未だに頬を染めた状態でいそいそと掃除に勤しむジークを眺めながら考える。
可愛くて料理が上手くて掃除も得意な女性。しかも俺の事を好きでいてくれる。
普通に考えたらすぐにでも結婚してしまいたくなる。
だが、俺は悩んでいた。本当に彼女と結婚していいものかと。その理由は―――
「G
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