第二十七話
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元気にはなったんだろうと思うことにした。
俺的には牛焼き肉弁当はとってもうまかったんだけど。
「結局、寄生根は見つかったの? 」
唐突に問われ、俺は言葉に詰まる。
「……そう。やっぱり見つからなかったのね」
何も言わなくても態度でバレバレなんだろう。さも当然の事のように言われてしまった。
「でも、誰も寄生されたようじゃなかったよ」
と、弁解めいた口調。
「今日は、というだけの話よ、それは。寄生根は新たな宿主が見つからなくたってすぐには死なない。明日になればどうなるか、それは誰にもわからないのよ」
そう言われ、俺は落ち込むしかなかった。
「まあ、……済んだことを責めても仕方ないわ。些末なことをとやかく言うよりは明日以降どうするかを考えることが最重要だから。反省は必要だけど、次にどうするかを決めなければただの馬鹿だから」
俺の気配に気付いたのか、彼女は慰めるような口調になっている。「ところで、今日の学校はどうだったの? ちょっと詳しく教えてくれるかしら」
朝から警察や消防の車が来ていた事。日向寧々と如月流星の全裸遺体が廃校舎の中と近くの庭で発見されたこと。そして俺の親友であり日向寧々の恋人だった漆多伊吹の事を話した。遺体が発見されたために、当然ながら事件のあった廃校舎への立入は禁止となり、警察消防おまけに教師がうろついて警備が厳重すぎて、ほとんど近づくことができなかったこと。そんなこともあって寄生根を探すという目的をほとんど達成できなかったことを続けて説明した。そして、追加説明ながら、親友の漆多が如月流星をいじめていた連中の次の標的になってしまったこと。それを知った俺はそいつら全員を半殺しにし、とてもスッキリしたことまで詳細に話した。
「ヤレヤレね。お前、普通の人間相手に能力を使ってしまったのか? そんなのただの弱い物いじめでしかないじゃない。……確かにお前がその生徒達を許せないと思ったのは当然だし、半殺しにしたことは仕方ないとは思うけど、それにしても後処理のことを考えずになんてことするの。そいつらが誰かに話したら騒動になるわよ。目立つ行動を取ったら状況から考えてもあまり利口だとは思えないわよ」
呆れたような口調で言われる。
「ごめん。そうは思ったんだけど……何かあいつらのやり方がどうにも我慢ならなかったんだ」
「……まあ、仕方ないわね。私だったら、お前のような手加減なんかせずにもっとそいつらをぶちのめしたとは思うわ。再起不能になるくらい人
格まで徹底的に破壊してやったはずだわ。肉体を壊すだけじゃなく精神的にも再起不能になるくらいにね。うーん、それでも甘すぎるわね。やっぱり潰して埋めて証拠を隠滅したかもしれないわね」
そういって笑顔を見せてくれたので、俺は少し安心
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