第二十六話
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うな声をだす男を無視して一気に服を引き裂いた。奇声をあげてしゃがみこもうとする奴のズボンを掴みグルングルンと振り回す。
プロレスのジャイアントスイングみたい。すぐに勢いに耐えきれなくなってズボンがパンツと一緒に引き裂かれる。プリンと汚いケツがはみ出す。
蛭町は靴と靴下だけの全裸になって床をすべり壁に激突する。
俺は携帯を取り出すと動画撮影を始めた。
取られていることに気づいた彼は局部を隠して逃げようとする。お腹のあたりは床で擦りむいたのかずるむけ。
俺は近づいて尻を蹴り上げた。
「ひゅいーん」
情けない悲鳴を上げて彼は気を失ってしまった。
「やれやれ」
おもしろくないの。これからなのに。
俺は適当に蛭町のフルチン動画を撮影すると、他の倒れている連中の服も引き裂き全員を並べて撮影してやった。
そいつらは、ぶちのめされてヘロヘロになりながらも全裸で這いながら逃げようとする。
「うひゃひゃ、さあ逃げろ逃げろ。トップで逃げられた奴だけは助けてやるよ。他の奴らは殺すよ」
俺は大笑いしながら連中を一人ずつ丁寧に蹴り上げていく。その度に全裸の男達は情けない悲鳴を上げる。中には小便を漏らす奴もいた。
「うわーこれは汚い」
そんな情けない姿を逃さず撮影する。
面白い面白い。実に面白い。
邪悪な人格がさらに俺の中で影響力を発揮する。
仲間を押しのけなんとかトップでドアにたどり着いた奴を捕まえ、
「うん。君が優勝だよ、おめでとう」
「た、助けてくれるんですよね」
情けない声を出す。
俺は優しく微笑み彼を立ち上がらせた。そしてニッコリと笑い、首を振った。
「ウソでーす。全員許さないもんね」
そう言って下腹部に蹴りを入れる。
眼をひんむいたような衝撃顔を張り付かせたまま、男は宙を舞い、必死で這って来ている仲間の上に落下する。俺の蹴りの威力が強かったのか、落下と同時に衝撃のためか思わず脱糞している。痛みで転がり回るため、下にいる男達の全身に黒茶色い糞がぶちまかれる。
悪臭と痛みでみんながヒーヒー泣きわめき、情けなくうめき声をあげた。
猛烈な悪臭に俺の鼻まで曲がりそうだ。それでも俺は沸きあがってくる笑いを必死にこらえ、冷徹に撮影はやめない。止めるつもりなんて無かったけれど。
悲鳴と悪臭と醜態と狂気が充満していた。
ああ、だめだ。なんだか笑いが止まらない。糞連中が糞まみれだ。
これくらいが潮時だ。臭くてたまらなくなった。
まだ意識のある連中に向かって
「漆多にこれ以上ちょっかいを出したらこんなもんじゃ済まない。それにこの動画をネットに投稿するからな。もちろん、わかっているよね」
と言い残して俺は部室を後にした。
連中はずっと土下座をして必死に謝っていた。
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