第二十六話
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。後ろに回り込んだ奴はナイフを腰だめにして体当たりしてくるつもりだ。
こいつら俺を殺す気満々じゃん。結構いい連係プレイだね。……思わず口元に笑みが浮かんでしまう。
どういうわけか、恐ろしく冷静になっている。そして、ありえないくらい残虐な気持ちになっている自分に戸惑いながら、それが心地よく思えている。
3方向からの同時攻撃。しかも明確な殺意をもってこいつら来てやがる。殺したら殺人で捕まるぜ。未成年だからすぐに出られるという計算でもあるのかな? でも俺も未成年だからお前ら全員殺しても同じなんだよ。そんなことをのんびりと考える。
視界の中で彼ら3人がゆっくりと殺意をもった攻撃をしかけてくる。
それは実に緩慢として、微笑ましい。
普通なら、それは必殺に近い勢いなんだけど、俺からするとなんだけれど、ほとんど止まっているのと同じだ。俺は一歩後ろに下がりながら振り向きまずは後方の男の足を思い切り払う。男はもんどりうって飛び上がり前転をするように宙を舞う。その襟首を掴むと俺はその回転力を加速させてあげる。くるくると何回転かして落下していくところへ二人のナイフを振り回した男達がいた。
聞くも耐え難い悲鳴とともに頭を逆さになりながら地面に落ちようとする男の尻に前方から攻撃を仕掛けてきた二人のナイフが突き刺さる。
相当の勢いで俺が蹴り上げながら投げ飛ばしたから、尻にナイフを刺されながらもまだ回転を続ける男は二人の男を巻き込みながら地面にたたき付けられた。
どすんという鈍い音と固い物が床に叩き付けられる二つの音が同時に部室に響いた。
俺を前から襲おうとした二人の生徒は後頭部を強打したようで泡を吹いて悶絶している。尻にナイフを二本デコレーションされた男はまだ意識はあるようだが、背中を強く打ったために呼吸困難に陥り口をパクパクしている。
糞連中5人を戦闘不能にするのに1分かからなかったかな。
俺は振り返り、一人だけ無事な蛭町を見た。
ニッコリと微笑んであげる。
「さて、残りはお前だけだよ」
「ひ! 」
蛭町は情けない声を上げた。
「助けて助けて」
俺は無言で近づく。
逃げ道を探してあたりをきょろきょろと見回す蛭町。しかし部屋の出入口は一カ所しかないから逃げ道なんてない。すぐに追いつめられてしまいへたり込む。
「お願い、お願いです、助けてくれよ〜」
「携帯を、出せ」
命令にあわててポケットから携帯を取り出す。俺はそれを受け取ると床に落とし踏みつぶした。残りの連中の携帯も同様にスクラップにする。漆多の全裸動画を保存している可能性があるからな。
再びおびえてしゃがみこんだ蛭町に近づくと襟首を掴んで立ち上がらせる。襟元を両手で掴んだ。
「な、なに。許して下さい」
泣きそ
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