交節・相対する狩人と魔刃・後
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に、ガトウが行った対処は―――
「……シッ!」
(なに……? 突っ、込んできて……っ!?)
何とまさかの『接近』。
しかもそれは【ヴォーパルストライク】の射線上から離れるのではなく、己から刃へ向かおうとしている。
その驚愕的な行動が、ライトの思考を一瞬間ばかり鈍らせた。
ガトウが姿勢を起こしたかと思うと…………右腕を上げその下を通るように避けられてから、すぐさま思考がはっきりするが時すでに遅し。
「……」
「うがあっ!!」
無言なままに縦構えの肘打ちが顔面に命中し、ライトは後方へと転がった。
されど倒れては居られないと、自ら回転を利用して勢いよく立ち上がり、
「……シッ!」
「うおおおっ!?」
頭上から降り注ぐ短剣の刃を、間一髪でまたも転げて回避した。しかし回避しきれず、浅いダメージエフェクトがライトの頬に刻まれる。
そこで何とか立ち上がる事が出来たライトが、ガトウめがけて反撃へと移った。
「おおおぉぉっ!」
「……」
スラスト気味の斬撃を二発―――ピンポイントを柄で撃たれて届かない。
水平切り―――切っ先を添えられ、長身からは考えられないほどの低姿勢で回避。
切り返しからの二連袈裟切り―――一発目を立ち上がりながら叩き落され、二発目が無効に。
蹴りを躱してからの横薙ぎ―――紙一重で当らない。
そこから繰り出される二連水平切り【ホリゾンタル・アーク】―――一発目の後に峰をぶっ叩かれ、ついでに頭も手首のみの裏拳で殴られた。
「うあぁっ!? ……ぐっ!」
見ればHPは二割近くも喰われている。
対してガトウは0。いくら数値的には近くとも、実際の感覚的には余りにも遠い。
何よりガトウの剣から伝わる感触は、今までのどのプレイヤーよりも “重い” と、ライトは感じていた。
このまま片手直剣で行くのは、余りにも分が悪いと言えよう。
(しょうがねぇ……覚悟の上だ!)
「む……」
ミザールのそれより無駄がなく速いクイックチェンジを目の当たりにし、ガトウから初めて一音ながらも声が発せられる。
何かに持ち替えたらしいライトは、いっそ行きすぎなほど距離をとって狙いを定める。
そう―――それは何と遠距離武器・弓であった。
近接武器など比べる間でもない、最長のリーチを誇る武器。
「いけっ!!」
スキル【ホーミングアロー】で放たれた幾本もの矢が、ガトウへと狙いを定めて飛び交い、襲い来る。
勿論これで決まるとは思っていない―――この後、叩き落としたその隙を狙うのだ。
「ハ……」
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