交節・相対する狩人と魔刃・後
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まずはAブロック代表! 無名からのし上がりし鉄色の刃! ガトウ選手だーーーっ!!』
爆発が起きた。
人々の声によるサウンドエフェクトが、そう誤認すらさせる大音量をたたきつけて来る。
『そしてBブロック代表! 攻略組に名を連ねしトッププレイヤー! ライト選手ーーーっ!!』
「「「わああああああああっ!!」」」
数多の声に迎えられ、ライトは部隊への足取りを、一歩一歩確実に進めていく。
部隊へ上がりきった時まず目に入ったのは、真正面にいる人物……ガトウだった。
彼はこの大声援を受けながらも気だるげにしており、緊張などまるで感じられない。凝っているのか首に手を当て、本来ならば霧となりそうな所作まで行っている。
目は若干細められていて、感情や真意はうかがえない。
次に目に入ったのは、周りの群衆に交じって少し離れた位置に立つ、ミザールの姿。強い意志のこもる瞳と敢えての微笑で激を送る姿は、ある意味では彼女らしいとも言えるだろうか。
やがてどうやら解説していたらしい司会者の説明も終わり、ガトウから “半減決着モード” でのデュエルが申し込まれ、迷わずOKをライトはクリックする。
「ふぅ〜……」
息を大きく吐きながら【エウリュアレの宝剣】を抜き放つライトだが、ガトウはミザールから聞いていた通りナイフを握ったまま手をダラリと揺らしている。
一見すればやる気の無い、相手を完全に舐め切った所作。
しかし一太刀打ち合えば、彼のその動作は恐らく彼なりの『構え』である事を、否応にも理解させられるだろう。
それになによりも、構えから戦法が分からないのが痛い。
実直であろうとフェイントであろうと、まずは構えを見てから対策を立てるのであり、その点でいえばガトウは中々に厄介な存在だと言える。
“11……10……9……8……7”
既にカウントは十秒を切り、極限まで集中されたライトの意思は、視界にガトウのみを映し他の者等を置き去りにした。
十秒を切ってもいまだ己の空気を崩さないガトウが、中心に確りと固定される。
「……―――はあっ!!」
そしてカウントが0となるかならないかのウチに―――ライトは舞台をけった。
初手としてライトが選んだのは、片手直剣スキル単発重攻撃『ヴォーパルストライク』。
通常の“初撃決着モード”ならいざ知らず、すぐには終わらない“半減決着モード”だからこそ選択したソードスキル。
それをただでは当てず、二、三度ステップを踏んで間合いをごまかし、手慣れた動作でプレモーションへと移行。
ジェットエンジンめいたサウンドを轟かせる。
リーチの長いこの攻撃
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