暁 〜小説投稿サイト〜
骨斧式・コラボ達と、幕間達の放置場所
交節・相対する狩人と魔刃・後
[3/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に蹴撃をくらってしまった。


(この人……槍でどうにかなる相手じゃない! でもっ……!) 


 ミザールとしては登録してある武器を瞬時に呼び出す “クイックチェンジ” で、彼女のメインウェポンである細剣へと切り替えたい所。

 だが距離を取ろうにも、先の蹴りは重い割にミザールの位置を大して変えず、寧ろ蹴る為に体勢を少し起こし地に手をつくガトウが、猛攻撃を始めた所為でシステムウィンドウをいじれない。


 少し隙を見せればそこを逃さず、強攻撃を叩き込んでくるだろう。


「スゥ……ハッ!」
「あっ!? うっ……く!」
「シッ!」


 ガトウはピクリ、体を傾け一瞬止めてから、完璧に起き上がると同時に回転する。


 回転を乗せて繰り出された裏拳は直前で引っ込められ、フェイクだと理解した時にはアッパーカットの様に刃が迫る。
 距離を取ろうとすれば肘を使った突進で詰め寄られ、間に合わないと防御させられる。


 “初撃決着モード” である以上、大きな攻撃を決めさえすればい良い。
 とはいえ下手にソードスキルは使えないと、槍で杖の如く薙いだ……瞬間、鈍い音と共に槍が跳ね上がる。


 恐らく膝を打ち込んだのであろうガトウは強く地を踏みしめ、短剣の切っ先をミザールの顔面へ躊躇なく迫らせる。

 しかしそれは悪手。
 跳ねあがっている槍の柄を利用し、急所へ迫るスラスト気味な斬撃を避けるべく、仮想の慣性に抗って腕を曲げ下ろす。


 ―――突き気味な斬撃(それ)すらフェイントだったと分かったのは、ガトウの手首が勢い良く上を向き、槍に絡みついてからだった。


「う、ごかなっ……!」


 身長差もあり余りに容易に “バンザイ” の格好を強制的に取らされ、槍を手放す間もなく腹へと体術スキル正拳突き《閃打》が突き刺さる。


「うぶっ!?」


 それでもギリギリ後ろへは飛べたか、HPこそ減っていれど決着はついていない。


 同時に距離が開き、槍も手放した為に―――――なんという幸運か。
 クイックチェンジを使う、最大の好機が生まれていた。


(これを逃したら負けるっ……! 間に合え!)


 ガトウの短剣が腕へと届くのが速いか、ミザールのウィンドウ操作速度が勝るか?

―――高らかな金属音が成り響き、観客達へその結果を知らせる。


 そう……間に合ったのだと。


「やあああっ!」


 これまで入れてきた気合いを超える、空気を震わせる裂帛の声が響き、次から次へと刺突を実行する。


 だがガトウの実力は、ミザールの予想をはるかに超えていた。


 剣閃のみしか目視させないスピードにもかかわらず、ガトウは短剣を軽
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ