交節・相対する狩人と魔刃・後
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――即ち、ガトウを捕まえて直接話を聞こうとしているのだ。
戦っているだけで山ほど疑問を生産してくれたのだし、一つぐらい解消せねばスッキリしないと、二人とも残っているという訳である。
『表彰台ステージも整いましたので―――では! 俺より優勝者の表彰を行いたいと思います!』
化け物ぶりも度を越せば驚けなくなるのか、司会者プレイヤーはノリノリでマイクのようなアイテムを手に取っている。
そしてやたら大袈裟な動作で手を出し、天幕の方を指した。
『では表彰台に上がってもらいましょう……優勝者! ガトウ選手だーーーーっ!!』
歓声と拍手で場は一斉に盛り上がり、今か今かと天幕奥の暗闇を除く。
……だが、何時まで経ってもガトウの髪の毛すら出てこない。
思い切り盛り上がりに水を差され、ざわめきすら起こらず、まるで冷蔵庫の動作音が何時もより響きそうなぐらいに静まり返る。
『あれ? おかしいな……ちょっと、だれか見てきて! あの人寝るのが趣味みたいだから、また寝てるかも!』
その発言で会場内が笑いの渦に包まれ、再び喧騒が戻った。
すぐさまこのデュエル大会を開いた、司会者と同ギルドメンバーであろう者らだ天幕内に入っていく。
すると、俄かに焦って出てきた。
「いない! もぬけの殻だよ!!」
『い、いないだってぇっ!?』
「「「はああああっ!?」」」
会場内のプレイヤーの声が異口同音で重なり、ライトとミザールも思わず口をあけてしまう。
あの僅かな時間で、あの長身とそれなりに目立つ容姿で、誰にも見られずこの場を去ったのだから、大口を開けてもいたしかたない。
結局謎は謎のまま、ガトウは闇に消えてしまったのだった。
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