交節・相対する狩人と魔刃・後
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、純粋な剣術でも今一歩劣る。
何より、もうガトウは目の前にいるのだから。
「なら、腹括って、いくぞおおぉっ!!」
「……!」
言うが早いかライトは突貫。
同時に得物である双剣を引き絞るように構え、雷が両の剣から迸り、ガトウは三度驚きの色を浮かべた。
ライトの奥の手の一つ、《狩人》スキル上位剣技十六連撃【雷鳴・鬼人乱舞】が、今―――電光の迸りと共に撃ちされる…………!
「はあああああぁぁぁぁぁっ!!!」
一撃二撃、三撃四撃五撃、六、七、八、九、十―――重くも速く、永久の輝きを一瞬で消え去らせる。
傍から見ている者には、まるで意志を持った雷撃がガトウへ幾重も襲い来るかのように見え、その中心に立つライトはまさしく雷神といえた。
「うらああああああっ!!」
より輝く十一撃、より速さを増す十二、十三、まだ続くと思えてしまう十四―――十五。
「うあぁっ……! おらああああぁぁぁ!!!」
そして、より一層稲妻をたたえた、終いの十六撃目。
さんさんと光の降り注ぐ晴天の広場に、嵐天の雷鳴を轟々と響き渡らせた。
「はぁ、はぁ……はぁ」
濛々上がる煙が晴れ、雷神の鉄槌を受け続けたガトウの姿をさらけ出した。
「……ふぅ〜……」
焦げ目すらなく『無事』そのものな、ガトウの姿を。
実は彼には、ライトにはわかっていた。手に伝わる感触で、目の前で繰り広げられる “青緑の刀身” の軌跡で、何が起こっていたのか……。
ガトウが、ほぼすべて今までと似通ったやり方で、パリィ “ならぬ” パリィを行っていた事を。
「ふざ、けんなっ……!?」
技後硬直で動けないライトに出来るのは、もう悪態をつく事のみ。
そしてガトウの手が後ろに引かれ、無言で繰り出される短剣スキル連続技【ファッドエッジ】が、ライトのHPを敗北の値まで食い尽くした。
―――ライトもまた、ミザール同様敗北してしまった。
確固たる事実を、近くにいる筈なのに何故か遠くに聞こえる観客の声が、辛うじて教えてくれていた。
その後。
「……負けたな、俺」
「うん」
「完膚なきまでに」
「だね……感想は?」
「化け物だな、あいつ」
「私と同じ意見をどうも」
突発的デュエルトーナメントの、優勝者であるガトウを称えるべくと、表彰式の準備を住み中に進めている様子を眺めながら、ライトとミザールは会話を交わしていた。
何故に出番は終わったのに此処にいるのかというと、それは余所で待機している記者気取りなプレイヤー達と同じ―
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