交節・相対する狩人と魔刃・後
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ば負ける……っ!)
刀を構えて数歩踏み出し、スキルではない自身の磨いた剣術を閃かせる。
「天城流・太刀剣技一ノ太刀、【霞・古狼】!!」
「……」
ガトウは難なくその一撃を受けて止めようとし、短剣を迷い無く縦に構えた。
「はあああっ!!」
「……む」
ライトの眼が鋭くなったと同時。ナイフに届く寸前、太刀の刃は朧のか何かとかすみ消え、胴体へと迫る。
ガトウからも思わず声が漏れ、不意を突かれたことは疑いようもない。
そして、ガチッと止められた。
「は?」
余りにもあっさりし過ぎており、それが包帯の巻かれた左手で『握り止められて』いるのだと気がつく頃には……短剣の乱打と握撃の二重奏で、音を上げて圧し折られ耐久力を全損させられた。
ポリゴンとなって消えていく己の武器を見やりもせず、ライトは瞬時の新たな武器を構える。
両手に一つずつ―――二本一対の武器・双剣だ。
だがその前にもう目と鼻の先にいるガトウに対処しなくてはならない。
体術スキルなしでも十分に驚異的な拳が迫るが、ライトは慌てず左足を地面に固定する。
「天城流体術、三ノ型【雷閃・閃撃】!」
上半身は双剣でガードし、他の攻撃は秘奥義で捌く。理にかなった防御であり、ガトウの拳もライトの蹴撃によって止められる。
続いて繰り出されるガトウの剣は、上段から絶え間なく袈裟切りを繰り返してくるという技だった。しかも剣線と剣線の間は数センチしか無い、あまりに濃密な斬撃。
間を縫って拳に蹴りまで飛んでくるそれを、ライトは剣に脚にと自由に操っていなし続ける。
最後の一撃でガトウの剣が切り払われ、高々と掲げられてストップする。
連撃は終わったのだ。
「よし……っ?」
多少の間をとって攻撃しようとしていた最中、ライトは己の足が動かない事に気が付く。
「な、ちょ……掴んでっ……?」
それがガトウに左腕につかまれて、身じろぎできないのだと知るも遅い。
「うおおおおおぉぉぁぁぁああああぁぁぁぁ!?」
「……シッ!」
何とまあ一体どれだけ驚かせればいいのか―――ガトウはライトの足をつかんだまま豪快に振り回し、身長差を活かして舞台へ叩きつけた。
またも暗い青緑色が軌跡を引き、ライトと別軌道で中空へ消える。
「うぐはっ……ってうわああっ!?」
間も置かせないと投擲ナイフの乱れ投げ。
衝撃に気を取られて転がるのが遅れ、二本ほど直撃してしまった。されど、そんな者に気を取られる暇などない。
武器の殆どが通じず、未だ本気を隠しているような所作で追い詰められ
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