暁 〜小説投稿サイト〜
骨斧式・コラボ達と、幕間達の放置場所
交節・相対する狩人と魔刃・後
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(何なの……? ……まるで対処、出来なかった……この人はいったい……?)



 レイピアを落として膝をついたまま、ミザールはハッキリしない頭で先の戦闘を反芻する。




 軽装と重装という正反対な装備を着ていた、大柄なバージェスと背の低いラグーンの第二試合が、数合の打ち合いの後バージェスの勝ちで終わり、次はミザールとガトウの試合に入ろうとしている……なのに、ガトウは全く起きようとしない。


「あのー? 次出番ですよ?」
「……Zz」


 軽くゆすってみるも、樹木や地面に激突したって寝ている男だ、起きてくれる筈もない。

 仕方なしに立ち上がり、主査者側に協力を得ようとして……彼女の装備品の端が、ガトウの鼻に振れた。


「……ん? ああ、アレか……出番か」
「へっ?」


 なんとまあ、アレだけ衝撃を受けても、大音量を耳にしても、一切合財起きる気配の無かったガトウが、あろう事か単に鼻先を物が掠めた『だけ』で起きてしまい、ミザールは珍妙な恰好でストップしてしまう。

 そんな彼女に構わず、ガトウはのっそり立ち上がって、舞台へと脚を進めて行った。


 数秒フリーズしたミザールは、慌てて舞台へと走り上がり、既に向こう側で立っているガトウと対峙する。


 彼女が現れた途端、観客席から大歓声と応援の声が上がった。男女問わず声が掛かっている事から、彼女の人気ぶりがうかがえる。
 ……一方で、仕方が無いと言うか当たり前なのだが、悲しいぐらいガトウは注目されていない。

 当の本人は対して気にした風もなく、しかもまだ寝足りないのか呑気に欠伸をしていた。


『それでは……スタートです!』


 デュエルの申請はミザールから行い、ガトウはそれでもちゃんと説明を聞いていたか、ちゃんと“初撃決着モード”を選び、お決まりのカウントダウンが始まる。


 ミザールは愛用の美麗な両手槍を構え、突進の気配をにおわせる為前方に体重を傾け、油断の度欠片も見せないと、気迫を込めている。
  ……対するガトウは、鉄一本を削り出した様な粗作りの短剣を抜き、対して構えもせずクルクル回して遊んでいる。


 その余りの温度差に、観客からは「なんだ諦めたのか?」や、「しょうがないよあの《戦姫》だもの」だの、「真面目にやれー!」といった、様々な文句や野次が飛んでいた。


 対戦相手であるミザールも、観客のプレイヤー達ほどではないが、若干眉をしかめている。
 幾ら各上が相手だとは言えど、そう簡単に勝負を投げだすなど、想定外が相次ぐアインクラッドでは、自殺行為に等しい。

 また、催し物とは言え相手に対する最低限の礼儀もないのかと、怒りを抱いているのだろう。

 これは決して彼
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