ACT.4 「DAY.2。サーチ&レスキュー」
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。南の学生が南の学生を誘拐したなんて事、他の高校に広まったらSDFの活動がとてもやりづらくなる。そして、何よりも芽衣に多大な負担がかかるという事だ。友達、先生、家族、挙げ句の果てにはマスコミや見知らぬ人までに何かをされるかもしれない。
しかし、無罪放免にするというのは余りにも人が良すぎる判断だ。今回合わせて2回、このような行為が行われていたのだ。
「どうしたもんか…」
芽衣は相変わらず壁を背もたれに座って足に顔を埋めている。この状態じゃまともに話は聞けそうに無い。
「とりあえず、キャンプまで連行するぞ。大城と木下で五人を連れてけ。逃げ出さないように銃を突きつけとけ。もしもの際は発砲を許可する。俺と真田はここの点検と芽衣を運んでく」
「了解、木下と一緒にキャンプで待機してます」
大城がMASADAの弾倉を交換し、ボルトを手前に引く。
がちゃり、という金属音に藤原達五人は怯え、素直に外に出た。
「じゃあ、また後で?」
木下が相変わらず元気な声を上げる。もちろん、手にはMP5A4が握られている。連行チームは藤原達五人を先頭に出発し、木下と大城が銃を構えて後ろに付いた。
大城のフラッシュライトの光が見えなくなり、十分に遠ざかった事を確認し、芽衣を介抱する。
「おい、大丈夫か?」
しゃがんで肩を、ゆっさゆっさとゆらす。芽衣の反応は無い。
「おい、大丈夫か? おい?」
再び肩を揺らす。すると、先程とは違う反応が返ってきた。
首を縦に振った。肯定という意味だ。大丈夫という事なのだろう。
「立てるか?とりあえずキャンプまで戻るぞ。話はそこからだ」
芽衣は顔を上げた。頬には小さな痣、唇からは血が少し出ている。目は赤く、涙目だ。朝、見た時の凛、とした目とは違い、前に三年生に絡まれていた時と同じ目をしていた。
「多分…大丈夫…」
芽衣の声はだいぶ掠れていた。近くにあったパイプを掴み、立とうとしているが、上手くいかない。きっと疲労のせいだろう。
「負ぶって行くから手を貸せ」
こういう時には素直に甘えてくる。日常ではいつも恥ずかしがって拒否するのだが。
そのころ丁度、真田が点検から帰ってきた。
背中のバックパックを外し、HK416Dにスリングを付けて首に掛ける。芽衣の太腿を持って背中に負ぶって、バックパックは真田に持たせる。芽衣は体重が軽いため、楽に持ち上げる事が出来た。
「相変わらず仲の良い事で。分隊副長としてはなにより」
「うるせぇ」
「いやー、色々見逃してあげてるじゃん。中三の時とか、前の三年に絡まれた時とか?」
「見てたんなら支援に来いよ?」
「はいはい。もう一時半だから、いくら彼女を庇うといってもそんなに騒ぐ
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