暁 〜小説投稿サイト〜
学校の小さな防人
ACT.4 「DAY.2。サーチ&レスキュー」
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げた。といっても、見えるのはアルミニウム製の扉だけだが。

「突入開始前、10.9.8.7.6…」

キャンプで警備を行っている新城がカウントを行っている。そのカウントが焦らすようにゆっくりに感じられた。

「3.2.1.」

絶対助け出す。そんな気持ちが身体を支配した。

「0?」

「無線解除、突入せよ?」

………………………………………

口に縛られたタオルは呼吸の問題で取られたが、手のロープは縛り付けられたまま、行為は始まった。

精神的暴力に始まり、精神的暴力に終わる。他にも、藤原達女子に戦闘服をナイフで切りつけられたり、例のスペシャルウォーターだかを飲まされたり等。切りつけられたA-TACSの胸元からは黒いインナーと下着が露出し、腕の切創からは血がにじみ出ている。かれこれ2時間近く、この拷問ともいえる行為を続けられている。もう脳内は混乱して機能していない。だが、これだけは分かる。この状況を打破できるのは、彼らしかいない、と。

「やっぱ鍛えてるだけあるねぇ。腹筋が硬いよ。割れてるかな?」

インナーの上から藤原がお腹をさすってくる。それに乗じたように、他の取り巻き達も芽衣の腹に手を伸ばす。

数秒間お腹をまさぐっていた数本の手は段々と上の方に動き、胸の辺りまで到達した。

「中々に大きいねぇ。80ってトコかしら?仕事の邪魔にならない?切ってあげようか?」

その言葉に取り巻き達がげらげらと笑う。

藤原は笑いながらジャージのポケットからナイフを取り出し、目の前に突き出した。

(何か、この状況を打破できる物は…)

室内にただ一つある窓ガラスを見る。

「窓を見たって愛しのカレシがくるわけじゃないよ、あきらめな」

藤原の言っている事は無視し、窓を凝視する。

なだらかな平原に、ぽつりぽつりと時折光が反射するのが目に入った。

あれは大城が装備しているMASADAのアンダーマウントレールに取り付けられているフラッシュライトの筈だ。ここから視認できているということは、もうそこまで来ているということだろう。

相変わらず藤原は笑っている。全くこちらの行動に警戒していなかった。

現役の特殊部隊相手に油断するのは「死」を意味している。それは何度も訓練で味わっている。

仲間の接近。相手の油断。反撃のピースは二つで揃った。

SDFを…舐めるなぁぁ?

内心そう絶叫し、手と違い、ロープで縛られていない足を立たせる。

もし男子が隙無く監視していればこんな事はできなかった。だが男子は携帯の液晶に夢中だ。

ありがとう…間抜けで!

2時間近く寝っぱなしだったが、脚はよくいう事を聞いてくれている。

右脚を軸にした回し蹴りを取り押さえよう
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