ACT.4 「DAY.2。サーチ&レスキュー」
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だの水では無いという事は一目瞭然だ。
机の周りには取り巻き達が芽衣を取り囲んでおり、逃げる事はできない。
「いいです、自分のがあるから」
机から魔法瓶を取り出して藤原の目の前に出す。
藤原はそれを無視して「水飲みなよ」ともう一度言った。
「飲めっつってんだろ?」
取り巻きの一人が魔法瓶をひったくり、頭を掴む。続いてもう一人が顎を掴み強制的に口を開けさせられる。抵抗するが、がっちりと固定され動かない。
「さーて、琴音様のスペシャルウォーターを召し上がれ」
「…んっ?…んっ?」
藤原がコップを芽衣の口元まで持って行き、中身を口の中に開ける。
「ゴホッ、ゴホッ?」
「アハハハハッッッッ?最高だね?その顔が歪んでいる所を見るととっても気持ちが良いよ?」
二口ほど水を飲んでしまい咳き込んでいる芽衣に向けて放った言葉は最早狂っているとしか言い様が無かった。
さらに男子2人が教室に入り、いじめはさらにエスカレートしていった。
男子は殴る蹴るを繰り返し、女子はそれを携帯で撮り、殴られたシーンを連続再生している。芽衣の顔はたちまち傷が付き、体の感覚がなくなってきた時にそれはやってきた。
「何やってんだ、お前ら」
教室のドアが乱暴に開けられた。
そこには夏の制服姿で長門と真田が立っていた。顔はどちらも険しい。
「なが…と…くん…」
芽衣の口から掠れた声が出た。
「おいおい長門。これはただの遊びだ。無視してくれて構わないぜ」
取り巻きの男子2人が長門達の下に歩いてきた。その一人が真田の肩に手を置いた瞬間からこの2人の運命は決まった。
真田が手を取り、内側に腕を捻る。それと同時に足を払い転倒させる。長門はもう一人の左腕と右肩を掴み、投げる。
取り巻きが二人同時に床に倒れ伏せ、教室に大きな音が響き渡った。
取り巻きは二人とも机に激突したのか当たった部分を抑えて悶えている。
「さて君達。この男達みたいになりたくなければ伊吹を解放しろ」
真田が威圧するようにじりじりと近づく。
怯えた取り巻き達は悲鳴をあげながら教室を走って出て行った。
その取り巻き達に支えられていた芽衣は支えを無くして前に倒れこんだ。
「芽衣っ?」
急いで駆け寄り、肩を支える。心なしか少しやせ細ったように感じた。
「…ありがとう。大丈夫」
大丈夫、というサインに肩に掛けていた長門の手を一回叩き、立ち上がった芽衣はくるり、と藤原の方を向いた。
「なんでなの?なんでこんな酷い事をするの?」
大丈夫、と言っていた割には声が涙声だった。目からも涙が溢れ出しそうだ。
「嫉妬か?」
藤原の顔がはっきりと分かるほど歪んだ。
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