暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
1063話
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 関西呪術協会での、シャドウミラーとの貿易による交渉。
 本来であれば、これは今日行われる筈だったのだが、酒呑童子の件があった為に当然それどころではなくなった。
 戦いそのものは終了したが、今回酒呑童子が引き連れてきたのは召還された鬼ではなくて、本物の……肉体を持った鬼だ。
 召還された鬼であれば倒せば元の場所に戻るだけだが、肉体を持った鬼であれば当然その死体が残る。
 それも、酒呑童子の肉体は俺がスライムで吸収したから全く残っていないが、引き連れられてきた鬼の死体は普通に残っている。
 そして今は、8月。……それも、盆地で熱い事で有名な京都。
 死体のまま放っておけば、腐って匂いやら虫やら……下手をすれば病気が広がる可能性すらもある。
 幸い鬼の死体があるのは鳥居の場所から入れる異空間だが、異空間だからこそ何か妙なアンデッドとかになったりしないとも限らない。
 その為、今は関西呪術協会が総出で鬼の死体を処分しているらしい。
 だが、これは関西呪術協会にとってもそれ程悪い話ではない。
 鬼の死体からは、強力な呪術や特殊な武器を作る為の素材になるものが取れるらしいし。
 ゲームとかでよくある、敵モンスターからの素材を剥ぎ取って武器にする感じだ。
 妖怪の中でも鬼は二足歩行で人間に近いから、正直微妙な気持ちがない訳でもないのだが……それを言うのなら、分類的には同じ鬼族だと思われるオーガとかを門世界で鹵獲して研究しているのが俺達シャドウミラーだしな。
 実際、そのオーガの研究で得られた技術によって新たに製造されている量産型Wの筋力は以前に比べて高くなっているのだから、文句を言えた義理でもない。
 詠春が酒呑童子の死体の行方を俺に尋ねたのは、そういう理由もあったのだろう。
 鬼としても最上位に位置する酒呑童子であれば、それは確かに素材としても極上の存在なのだから。
 関西呪術協会の長としての立場から考えると、詠春としても俺にそれを尋ねざるを得なかったという事か。
 ともあれ、そういう理由であやかが今日行う筈だった交渉は延期になった。
 とは言っても、元々俺達が京都に来たのは2泊3日の予定だ。予備というか京都の観光用に1日時間を作っておいたので、明日を交渉の日という事に調整し、今日は俺達……俺、あやか、円、神楽坂、近衛、桜咲の6人で京都の観光をしていたりする。
 鬼との戦いは結構濃密な時間だったが、実際には1時間も掛かっていない。
 それから風呂に――当然混浴という訳ではない――入り、外出の準備を整えたとしても、まだまだ午前中。当然それから観光に出掛ける時間は十分にあった訳だ。

「やっぱり京都に来たら清水寺には来ないとね」
「そうですわね。修学旅行で来た時にはここから飛び降りるとか言っていたお馬鹿さんがいましたし」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ