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ウイングマン スキャンプラス編
■5話 脱出
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どうしたものか……」
そう言って上の見上げたときに月が見えた。
桃子と美紅は顔を見合わせた。
「え?」
建物が消えかかっているのだ。
スキャンプラスと連動していたのか、この建物が上の方から徐々に消え始めている。
ということは、しばらくすればこの建物はきれいさっぱりなくなってしまう。
何かいい方法は……
「どうしよう、桃子ちゃん……」
美紅も困り果てた。
建物が消えてしまえば、ガ―ディングポイントの姿で町中に放り出されることになる。
しかもくるみはアイドルだ。一般の人にも知られている。
そのくるみちゃんを裸のまま町中に放り出すわけにはいかない。
「美紅ちゃんはリーダーの学生服を借りて! くるみちゃんの服は私がなんとかする!」
桃子はひとつアイデアを思いついた。
とにかく善は急げだ、くるみをポッドからひっぱり出した。
「くるみちゃん、起きてください!」
体を揺さぶられて目を覚ましたくるみは、目の前の桃子に思わず抱きついた。
「あなたは広野君の仲間のっ!?」
くるみには怪人に捕らわれていたことは覚えていた。
助けに来てくれた桃子を見て反射的に安堵したのだった。
「ありがとう! 殺されるかと思った」
桃子はくるみの胸の感触を直に感じて恥ずかしくなったが、今はそんなに余裕がなかった。
「ちょっと〜っ! くるみちゃん! 離れてください! あまり時間がないんですよ!」
そう言うとくるみを無理やり引っぺがした。
そして、自分のバッジをはずして自分の変身を解いた。
「ど、どうしたの?」
桃子のいきなりの行動にくるみはただただ困惑した。
「くるみちゃんのその恰好をなんとかしないと!」
そう言われて自分の姿を見たくるみは大慌てだ。
「いや〜ん!? なんでぇ〜?」
ブラジャー姿になったことまでは覚えていたが、全裸にされた記憶はなかったのだ。
恥ずかしくて恥部を隠そうとして辺りを見渡したが、隠せるものは何もなかった。
制服に戻った桃子は、パニくるくるみに自分のバッジを渡した。
「とにかく、今はこのバッジを胸に着けてください!」
くるみは桃子のバッジを受け取ったので、右手を胸に強引に押し当てた。
するとくるみはウイングガールズの桃子のコスチュームに変身した。
「えっ!? なにコレ?」



3.
一方、美紅は桃子に言われるがままに健太の学ランを脱がそうとしていた。
ボタンを気づかれないように1つ1つはずしていくのには慎重になっているので時間はかかっていた。
そして、くるみが変身したことで桃子の意図がわかった。
自分が着る服が健太の学ランだということだ。
確かに、くるみは有名人で町中で裸にすれば社会的にも大きな話題になることは間違いない。
さらにこれからりろと取材をこなさなければいけないのだ。

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