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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
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、というところだろうか。だが、この現代では直接的な武器よりもよほど強力な外交カードになりうる。
その真意の一切を隠した老人を前に、蓮は慎重に言葉を紡いだ。
「……前に訊かなかった質問をしようか」
「どうぞ」
一拍置いて、少年は疑問を呈する。
「何で部下にやらせなかったの?僕達に情報を渡したヒトに《殺されろ》って言えば、それだけでこと足りたんじゃないの?」
「――――…………蓮君。儂は、君がこの馬鹿げた頼みを引き受けてくれるくれないにかかわらず、《情報》はちゃんと話すつもりじゃった。それでもこの話を持ち掛けたのは、少し……気になることがあっての」
「……?何、気になるんだけど?」
しかし重國はそれ以上は笑って誤魔化し、「ともかく」と言う。
「儂が君達に頼んだ内容は、一応完了と言えよう。ここで再コンバートし、ALOに戻ってもいいんじゃよ」
「……それ、分かってて言ってるでしょ」
今度は蓮のほうが苦笑する立場になってしまったが、そんな少年に重國は口調こそ穏やかだが、どこか鋭いトゲのようなモノが混じった声で続ける。
「蓮君。儂が言っとるのは、単純に損得の計算じゃよ。ここで君と木綿季ちゃんがGGOに残り、フェイバルと戦っても、得をすることなど何もない。いらない危険だし、いらない冒険じゃ。儂が記憶するに、SAOで休暇を取ると言っていた時の君は、言うほど冒険家ではなかったと思うが?」
「人は変わるってことだよ、シゲさん。ずっとおんなじ人格で、信念で、思考を宿してるヤツなんていないよ」
ほ、と。
黒峰重國はそこで思わず腹を抱えて笑い転げるのを辛うじて堪えた。まさか、軽く半世紀以上も生きている時間軸がズレている少年から、およそこんな言葉が飛び出すとは露程も思っていなかったのだ。
まるで、自分よりよほど人生というものについて悟り、達観したような言葉。
言いおるわい、と胸中で呟きながら、それでも老人はそれをおくびにも顔に出さなかった。
重國にとって、眼前の少年はもう少年と認識されていない。欠片でも油断したら喰われる。身の内の感情をそのまま顔に出すなど論外である。
「ならば、引き続きGGOに潜る、と?フェイバルに挑む、と?」
「うん」
「言っておくが、君が報告してくれた決勝の内容によれば、今の蓮君の心意を含めた全能力はヤツに著しく劣っていると判断せざるを得ない。戦っても勝てんぞ」
あえて厳しい意見を素っ気なく述べる老人に対し数秒黙りこくり、小日向蓮はそれでも、と簡潔に返した。
「……訂正してもらいたい言葉ができたからね」
少年は笑わない。
蓮はまだ老人に黙っていたことがあった。
「シゲさん、シゲさんは僕より前――――フェイバルが
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