暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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可能性がある可能性の存在を表してる。当然、シゲさんが言ったように、仮想世界の中で人を殺せる可能性すら、ね。仮想世界が現実世界の肉体に与える影響は、いまだ研究途中だ。確かにそんな殺害ができるかもしれない。だからシゲさんは、『実の息子だか孫だかが殺されてその復讐をする』なーんてすぐにバレそうな嘘をでっちあげてまで、僕と木綿季ねーちゃんを引っ張り込んだんでしょ?心意に詳しくて、それに加えて操りやすい人をね」
流暢に流れるその説明に完全に閉口していた老人は、やがてゆっくりと口許を苦笑の形にして吐き出した。
「……やれやれ、そこまでお見通しか」
「まあねー」
ふっふん、と車椅子上にて胸を張る少年に今度は優しげな微笑みを投げかけながら、重國は
意
(
・
)
識
(
・
)
を
(
・
)
切
(
・
)
り
(
・
)
替
(
・
)
え
(
・
)
た
(
・
)
。
少年を見つめる双眸の奥に、永い年月を経て研ぎ澄まされた牙が宿る。老いてもなお衰えることを知らない――――いや、それどころかくぐった修羅場の数、生き抜いた歳月をそのまま己の糧としてきた巨大な獣がのっそりと起き上がったようだった。
相手はもうかつてあの城でともに戦い、背を預けた頼もしくもどこか庇護心をくすぐる少年ではない。自分が人生を賭して作り上げた《帝国》を切り崩さんとする敵対企業そのものだと思う。
キュッ、と微かな瞳孔の開きだけで場の雰囲気が一瞬にして老人の支配下に置かれた。
「心意はある程度法則性が分かっている分、一から開発するより圧倒的に早く兵器化が可能じゃ。今や全世界的に、企業は電脳の空間に移ろい始めている。その相手が仮想世界にログインしているだけで殺せるという可能性を提示できれば、かなりのアドバンテージが得られるんじゃよ」
老人の言う通り、今は世界規模で全ての経済活動は電脳空間に移行しつつある。会社の会議からテレビのスタジオ、果ては会社そのものを仮想世界にオープンした企業もいるらしい。これらがどうしてここまで拡大するかというと、その答えは至極簡単。
経費が掛からないからだ。とくに機器類に莫大な費用の掛かるテレビ関連は率先して移行している。仮想世界下では録画ボタンを押すだけで360度のパノラマ映像だろうが即座に撮れるのし、背景のテクスチャも好きなだけ弄れるのだから、そりゃわざわざ現実世界に戻って金をかけてまで撮る物好きもいないというものだ。
だがそういう状況下だからこそ、心意の存在を公表したら即座にパニックに繋がる。
だから、その情報を突き付けられた相手側も安易にそれを漏らせず、結果的に彼らの縁者達やアキレス腱のような重要企業の重役達がいつ殺されてもおかしくない仮想世界に潜っていくのを止められない、という訳だ。
使うつもりはない。
あくまで核兵器のような抑止兵器
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