底辺の異能者
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彼は産まれた時から異端者だった。
少年が初めての『力』を感じたのは小学一年生。
友達と校庭で遊んでいると、六年生に絡まれた。
その少年は怒り、六年生に暴行を加えた。
自分より体格の大きい大きく年の離れた六年生を。
結果的に、六年生は病院送り。
証拠は多く残ったが、
小学一年生がこんな事を出来るわけがないと言うことで
同級生同士のトラブルと言うことで片付けられた。
当然、事情を知った六年生達は恐れ。
何も知らない無垢な同級生達は少年を大きく褒めたたえた。
「かっこいい!」「強い!」「最高!」「強い!」「ヒーロー!」
「 強い 」
少年は本当にいいことだと思っていた。
彼はその時は自分の強さが誇りだった。
ただ純粋に…
少年は怒る事は少なかった。
ただし、怒った時には必ず事件になった。
いつしかその『異常さ』に気づいた者達は去って行った。
「関わりたくない」とそう呟いて。
大人に近づくにつれ、周りから恐れられる感覚が増えて行った。
あの時彼を救った『力』を、
いつしか彼は嫌いになっていた。
彼は高校生になる頃には完全にその『異能』を制御し、抑えた。
気さくで優しかった彼は直ぐに周りに馴染んだ。
少年の良かったことと言えば家族は彼の異能に理解があった。
家族は恐ることも「この子を捨てる」と選択することもなかった。
明るく、優しく、怒ってくれる
彼は環境に恵まれていたのだ。
余談だが彼は姉には普通に喧嘩で勝てなかったとか
そんな事もあり、彼は普通に社会人として働いていた。
みんな、昔のことを忘れていた。
みんな、彼を受け入れてくれた。
みんな、高校のあの日の事を忘れてくれた。
悩みも無い。
彼は最高に人間として生きられ、
彼は異能者としては最底辺だった。
彼は現代社会に置いての『人間に限りなく近い異能者』だった。
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「なぁおっさん!ちょっと金貸せよ!」
「辛気臭ぇ顔してんなぁ」
「ビビってんのか?ギャハハ!」
ブランド品のカルバンクラインのスーツに髪も目もほぼ黒一色で統一された高身長のやさぐれた雰囲気の会社員のような男
霊遥葵雄大は彼らを一瞥する。
「…わりぃけどおっさん、急いでっから君たちの相手してる暇無いんだ、あとズボンはちゃんと履きなさい」
雄大は彼らのかなり下がっているズボンを指差して言った。
「うるせぇよ!やさぐれたおっさ
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