暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第148話 彼女の刃
[8/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
う言っていた。
そして、落ち着かせる事数秒後。
「……大丈夫か? 大丈夫なら……、アスナが待ってる。行ってやれ」
隼人は、ちゃんと自分の足で立っている和人を見てそう言う。まだ腕は血が滲んでいる様だが、隼人から渡されたティッシュとハンカチで何とか圧迫し、ほぼ止血する事は出来た様だ。掠めた頬も同様だ。
「隼人は……? お前も一緒に、だろ」
玲奈が待っているから、と和人はそう言った。隼人はそれを聞いて軽く笑う。
「勿論だ……が。会いたい想いはキリトにも負けてないつもりだよ。だけど、こいつをこのままにしておく訳にはいかない、だろ? 大丈夫。傍には信頼出来る人もいる。事情を話して警察を呼んでもらうよ。……後から玲奈には必ず会いに行く。勿論、明日奈にもな」
隼人はそう言って笑った。確かに、須郷は気絶しているのか、呆然としているのか、動く気配がない。だが、このまま放置し、また暴走でもされたら、危険なのには変わらないだろう。
明日奈や玲奈の事を考えたら尚更だ。
「判った。……待ってるからな」
「ああ」
隼人は、和人と軽く拳を合わせ、そしてしっかりとした足取りで、病院内へと入っていった。傷口は、浅く出血量も思った程はひどくはない。須郷の焦点が合ってなかった為だろう。確かに、隼人も玲奈に合わせてあげたいと言う気持ちが強くあったが、隼人の言葉と須郷の事、そして何より明日奈に会いたいと言う気持ちの方が強く出た為、和人は1人で向かっていった。
――……隼人は感謝していた。
和人は、優しいんだ。
優しいからこそ、自分を気にかけ、そして救ってくれた。恩人の1人。だが、そんな恩人である和人にも、隼人には譲れない物はあった。
ここから先は……譲れなかった。
「ひ、ひひ……」
そんな時だ。背後で、うめき声の様なものを出しながら、影がゆらりと動いた。
「か、感謝、か? ぼ、ぼくもそおさ。かんしゃ、してるよ。キミには」
死への恐怖からか、その髪は所々が白く染まっていた。それは、雪が降り積もったからそう見えた、訳ではないだろう。まだ、涙を流し、鼻水や涎といった体液も流れ出ている。
「ゆだん、してたとはいえ、君が、じゃましなけりゃ、ぼくをたおせた、かもしれないのに。随分とおバカなんだなぁ?」
小悪党と言うのは、どんなに傷を負っても相手が弱みを見せれば、それだけで、元気になるものだ。須郷は、発音こそ最初のそれよりもおかしいが、この状況を見て、形勢逆転したと思い、立ち上がった。その手には、先ほど和人が落としたナイフが握られている。
「お前、がリュウキくんか? さやまには悪いが 君も死ぬべきおとこだ」
のそり、のそ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ