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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第148話 彼女の刃
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…っ!」
和人のナイフを握る手に、不自然なまでに力が入っている。過剰な力が入り、ブルブルと震える手。
……脳裏によぎるのはこれまでの事。
アスナを苦しめ、レイナを苦しめ、そして リュウキを殺そうとした。
毎日、目元を赤くさせながら、明日奈と隼人の帰りを待つ玲奈の姿。
あの世界で、陵辱を受けながらも、気丈に涙をみせまいと、耐えるアスナ。
最後に脳裏に強く焼き付くのは、アスナの顔と、そしてその横でニタリと笑う須郷の顔。
「はぁ、はぁ、はぁ!!」
何度、何度殺してやりたいと思ったか、もう判らない。殺意は、もう臨界点に突破している。須郷の首に押し当てられたナイフ。後ほんの少し、力を入れるだけで、その喉笛を斬り、殺す事が出来る。
「はあっ!はあっ!はあっ!」
――……殺せ。この男のした事は許される事ではない。全ての元凶はこの男だ。何度殺しても、殺しても、足りない!!!
「うおあああああ!!!!」
和人は叫びを上げ、振りかぶり、そしてナイフを首元へと振り下ろした。その一撃は、須郷の喉を斬り、殺す。
――……そう、殺す……、筈だった。
「……やめろ。和人」
そんな時だった。
狂気に、怒りに、全てを支配されていたとも言える状態だったはずなのに。その感情の海に沈んでいた自分を引き上げてくれたのは、ある男の声だった。聞き覚えのある……声。そう、脳裏に浮かんだあの時もいた男の声だった。
「……そんな奴の血で、和人の手を汚す事なんかない。……力を抜くんだ」
掴まれた和人の右手。その掌から、ナイフが かしゃりと音を立てながらこぼれ落ちる。
和人は、ゆっくりと、僅かだが震えながら……顔を上げた。その先にいたのは。
「ここに来た理由は……? オレと同じ、だろ。……アスナの所へ行くんだ」
懐かしさすらある顔。……あの世界でのアバターとは違う、2年間共に戦った男の姿だった。
和人は、ゆっくりと、頷いた。斬られた腕を抑えながら立ち上がる。まだ、覚束無い。傷の痛みのせいか、興奮冷めやまぬ頭のせいか、思わず身体を再び崩しそうになる。それを隼人が支えた。
「……なんだか、懐かしいな。あの時は、お前がこうやって、俺を支えてくれた。……支えてくれた」
それは、あの戦争の一件。狂気に彩られ、無数の命を奪い……、そして涙を流していたリュウキ。覚束無い足取り。そんな時、傍らで支えてくれたのが、キリトだった。
……1つの恩を返すことが出来た。
「……あり、がとう」
「こちらこそ」
和人と隼人は、互いにそ
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