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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第148話 彼女の刃
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和人の中に強い想いが蘇っていく。
――ならお前は一体何だって言うんだ?あの世界では怯え泣き虫り、そしてこの世界でもそうだ。
比較的頭は冷静だった。和人は冷静に、須郷の目を再び見た。こんな男が 《恐怖の塊》《化物》そんな風になぜ見えてしまったのだろうか?
――あれは、強者の眼じゃない。絶体絶命の死地に陥ったとき、その現実を遮断する為に狂騒的に剣を振り回す者の目の色だ。
本当に強い男の眼なら、何度も見てきている。この眼はそんなものじゃない。
――……須郷。
和人は、目をかっ!と開かせる。もう、閉じたり背けたりはしない。
――お前も同じじゃないか!
「死ねぇぇ!!小僧ぉぉぉ!!!」
須郷の絶叫と共に、時の矛盾。時間間隔のズレは無くなる。ナイフの速度も戻り、和人の頭部に目掛け振り下ろされる……が。
「うおおっ!!」
振り下ろされるその刹那。和人は、須郷の右手首を左手で受け止めた。瞬時に右手の親指を、須郷の緩んだネクタイの間、鎖骨の中心部にある喉仏に突っ込む。
「うぐぅっ!」
ひしゃげた声をあげて、須郷はのけぞった。破れかぶれに見えた和人の一撃は、正確に須郷の喉仏を痛打。その場所への打撃を受けてしまえば、一瞬だが酸素の吸引ができなくなり、息が出来ない。
無理にしようものなら、痛みがたちまち襲い、細い呼吸しかできなくなる。
その隙に和人は、身体をひねりながら、体を入れ替え、両手で須郷が持つナイフの手を握り、アスファルトに思い切り叩きつけた。どかっ!と言う音と共に、衝撃によって、ナイフを持つことができず、こぼれ落ちてしまう。
「ぎゃっ!!」
須郷はうめき声をあげながらも、何とか落ちたナイフを拾おうとするが。
「……貧弱な武器だ」
それは叶わなかった。
「軽いし、リーチも無い。確かにオレが満足する様な武器じゃない」
まるで、あの世界に戻ったかのようだ。目の前には、憎むべき人型の敵モンスター。そして、傍らにはあの男がいるんだ。
「でも……、おまえを殺すのには充分だ」
和人は、ナイフを構えた。それを見た須郷は。
「う、うわぁぁっ!!」
先ほどの強気な言葉からは一転。脱兎の如く逃走しようとしていた。だが、覚束無い足取りは須郷も同じだったのだ。
「うおおっ!!」
和人は、逃げようとする須郷の頭を掴み、その勢いを殺さずに、停車しているバンのドアに打ち付けた。
「ぐえっ!」
須郷は叫びを上げた。だが、真の恐怖はこれからだった。その首に、ナイフが添えられていたのだ。殺す筈だったのに、殺される側になった須郷。
「はぁ……はぁ…
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