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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第148話 彼女の刃
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リュウキは、そう言っていた。
『扱えない』『使いこなせない』と言われたとしたら、むかっ!と来るが、生憎リュウキからその類の言葉をもらった事はない。……所々嫌味だと感じるのは十中八九、九部九輪、自分の中に邪な感情があったり、色々と打算があった時だけだから。所謂 自業自得的な感じだ。……それでも言わずにはいられないから仕方がない。
それよりもリュウキの感性は、凄く信用出来るから、キリトは訳を聞いていた。
『なに、難しくいったわけじゃない。簡単な事だ。ダガー系は、
遅延
(
ディレイ
)
は確かに少ないし、デフォルト技も同様に早い。……が、その代わり基礎攻撃力が如何せん低い。全武器中最もな。それに
筋力値
(
STR
)
要求の高めのロングソードを今まで使ってきたキリトが満足するとは思えなくてな』
片手直剣の中でも、両手剣に分類される一歩手前付近の武器を好んでいるキリト。それは、あの50層のフロアBOSSのLAで入手した愛剣、《エリュシデータ》を入手してから、その傾向は顕著に現れていたのだ。だからこそ、リュウキはそう思っていた。
『なるほど、確かにそれはありそうだ。……そう思ったら頼りなくも見えてきた』
キリトは、じぃ〜とそのソードブレイカーを眺めながらそう呟く。
短剣使い
(
マスターダガー
)
がここにいれば、非難の的にされかねない様な発言だが、生憎この場にはリュウキしかいないから、その点は問題なしだ。
『まぁ、確かに武器の強さも重要な要素だが、自分自身に合うか合わないか、それも結構重要だと俺は思うな』
改めて、短剣を見ているキリトを見ながらリュウキはそう言っていた。キリトも頷く。
……結局な所、リュウキの言うとおり キリトは 基本攻撃力が低すぎる事と、軽すぎる事で、鍛える事をあっという間にやめてしまったのだった。
〜現代 埼玉県所沢市総合病院〜
あの時の武器によく似ているのが、須郷の持っているサバイバルナイフだ。
だが、あの男の手に握られている武器は、あの世界での武器よりも頼りなく小さい。ダガーと言うにすら及ばないだろう。いや、武器とも言えない。その範疇ですらない。
あの世界で闘ってきた自分たちからすれば、そんなのは頼り無さ過ぎる。
「お前なんか……お前なんか……!」
そんな中、須郷が再び甲高い声を響かせた。
「お前なんか本当の力は何も持っちゃいないんだーーーっ!!!」
声を響かせながらナイフを振りかぶった。
そのセリフが和人の頭の中で再生される。時が極限にまで圧縮され、全てがスローモーションになる。だが、和人は、高速に頭を回転させていた。
――そう、その通りだ。だが、そんな事は今更言われるまでもない。
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