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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第148話 彼女の刃
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において劣ったクズなんだよ! なのに、僕の、この僕の足を引っ張りやがって……! その罪に対する罰は当然、死だ。死以外有り得ない」
須郷は、甲高い奇声をあげる様に、叫ぶと、左足を和人の腹部へと乗せた。和人の身体を固定し、一気にナイフを突き立てる為に。圧倒的な力の差を、和人は感じてしまっていた。
「っ、っっ……!」
浅く、早い呼吸を不規則に繰り返しながら、ただ近付いてくる須郷の顔を見ることしかできなかった。そう、その身体にナイフを突き立てられる瞬間も……。
「―――ッ!」
迫るナイフを見て、瞼を閉じる事は出来た様で 思わず最後の瞬間は目を閉じてしまった。その瞬間、がきぃぃ!と言う鈍い金属音が響く。そのナイフの先端は、和人の顔面に狙いを定めていたが、頬を掠め、アスファルトに直撃したのだ。
「あれ……? おかしいな。顔を狙った筈なのに。……右目がボケるんで狙いが狂っちゃったか」
須郷は、独りごとの様に呟くと、再び右手を高く掲げた。
その鈍い光、そして駐車場を照らすナトリウム灯の灯りで須郷の持つナイフの全体像をはっきりと和人は捉える。刀の様にすらりとした刀身ではなく、まるで鋸の様なキザギザとした刃。
肉を斬り、傷口を荒らす刃。
それを見た瞬間、脳裏にあの世界での光景が鮮明にフラッシュバックした。
〜追憶のアインクラッド 第51層 アルスレイド 商業区 武器屋〜
『ソードブレイカーって言う武器、買ってみたんだけど、どう思う?』
それは、アインクラッド中層の町での事。
本当にたまたま出会ったリュウキにキリトは聞いていた。同じく街中で武器を見ていたから声をかけたんだった。NPCショップだからか、丁度フードを外していたのも見つけられた要因の1つだろう。
『……ん、確かそれは名の通り、武器破壊の成功率を増す事が出来る武器だったな』
リュウキは、キリトに見せられたダガー系の武器を見てそう呟く。真剣な表情で、視るリュウキの眼。まるで、鑑定をしてもらっている様な錯覚に見舞われる。そんなスキルは持っていないのに。そして、リュウキが視る事数秒間。武器から視線を外し、キリトの方を見た。
『……キリトは、短剣スキルでも鍛えるのか?』
少しだけ、意外そうな顔をしながらそう聞くリュウキ。キリトはその問いに軽く頷いた。だが、そこまで本気じゃない事も伝える。
『これ面白そうだろ? 形状も他には無い感じだし』
そう言って笑う。新しい武器の発掘は、VRMMOでは醍醐味の1つだ。武器の性能の確認も面白い。それを聞いたリュウキは珍しく(当時での事)僅かに笑った。笑みを見せた後、呟く様にいう。
『キリトには合わないと思うな』
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