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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第147話 世界の種子
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く苦にならない。身体に翅が、あの世界の様に翅が生えたかの様に、身体が軽い。
もう少しで、ここは銀世界になるだろう。
隼人の代名詞とも言える色の世界。
――……でも、その背景でその世界になれば、舞台の主役とヒロインはあの2人に持って行かれてしまうだろうな。
和人は思わず苦笑いをしながら、そう思った。でも、2人の想いにも負けない位明日奈の事を思ってるんだ。
「アスナ……」
鎖を解き、解放した彼女を想いながら、自転車のペダルを踏み込んで進んでいく。恐ろしいまでに冷たい冷気。その冷気を感じ、ふと嫌な予感も感じた。
――もしも、明日奈が、玲奈が目を覚ましていなかったら。
ALOにも彼女の魂は既になく、しかし現実にも帰還していない。………どことも知れぬ場所へ消え去ってしまったら。
少し、考えたくない予感が頭から足の爪先にまで、悪寒として迸った。そう、思ってしまうと、この銀の世界も曇って見えてしまう。冷気が、冷酷に感じてしまう。
(そんなの、有り得ない。この現実が、そんな悪意の権化……そこまで冷酷でなんて、あるはずがない)
その悪寒を振り払う様に、和人はペダルを踏み込み続けた。
……この先には、確かに彼女が確かに待っている。
だが、超えなければならない試練がある事を、この時の和人は知るよしもなかった。
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