暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
1062話
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がとうございました」

 深々と一礼すると、この異空間から出る為の案内だという陰陽師を付けられる。
 これは……俺達をここから早く追い出したがっている? だが、何でだ?
 既に鬼の生き残りがいない以上、ここで俺達を追い出す必要はないだろうに。
 何か俺達に見られたくないものでもある……とかか?
 考えられるのは幾つかあるが、やはり一番可能性が高いのは、今回の酒呑童子の襲撃に関係している何らかの証拠品の類とかだろう。
 ただ、もしもその証拠を酒呑童子が持っていた場合、既にスライムの中で吸収されて消滅してしまっているんだが。
 となると、先程の酒呑童子の骸に関して聞いてきたのもそれが原因か?
 あるいは、陰陽師としてこの地で死んでいった鬼達の怨念とかを浄化する術を見せたくないのか?
 ……なるほど。その可能性もあるか。
 けど、多少なりとも陰陽師の事を知っている桜咲がこっちにいるんだが、その辺は向こうとしてもどう考えているのやら。
 それとも桜咲が使える陰陽術は所詮神鳴流の補助程度。そっち関係の事には詳しくないのか?
 まぁ、その可能性も十分以上に考えられる。

「分かった。なら案内を頼む」

 ここで強引に居座ったとしても、関西呪術協会との関係を悪くするだけだと判断し、詠春の言葉に頷き、あやかや円、神楽坂、近衛、桜咲といった面子と共に陰陽師に案内されるようにして鳥居の中を進んでいく。
 ちなみに俺達の案内をしている陰陽師は、戦闘が始まる前に関西呪術協会の方へと駆け込んできた陰陽師ではなく、他の陰陽師だ。
 年齢的に見れば50代半ば。陰陽師としての能力は既に熟練の域に入っているだろう相手。

「では、少々お待ち下さい。……オン!」

 呪符を手に短く呪文のような者を唱えると、鳥居の続いている場所の中、俺達のすぐ前の前に空間の穴が空く。

「さ、どうぞ。ここを出れば通常の現実空間に出れますので」
「分かった。感謝する」
「いえ、お気になさらず。私は長に命じられただけですから」

 陰陽師にそう言われ、穴の空いた空間の中へと入っていく。
 そうすると、穴に入った次の瞬間には通常空間へと戻っていた。
 ……いや、こうして見る限りでは中とそれ程変わらない光景なんだが。
 あの異空間の中でも、普通に太陽とかはあったしな。
 勿論その太陽とかは本物じゃないんだろうが、それでも見た目的には普通の太陽のように見えた。
 恐らく外の光景を映し出しているとか、そういうタイプなんだと思うが。
 その辺を考えると、陰陽師の使っている陰陽術ってのは色々と利便性が高いよな。
 幸か不幸か、現在シャドウミラーが交流を持っているのは麻帆良の魔法使いのみだ。
 一応桜咲のように多少の陰陽術を使えるような者はいるだろうが、あ
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