精神の奥底
47 ブリキの心臓
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「僕の想像も入ってるけど、大きくは外れていないはずさ。だから高垣自身は計画の概要自体は知らされていても、直接的に多く関わってはないのかもしれない。だから...あまり他の2人と同じく計画の全容以上に重要なものは出てこないと思う」
彩斗は美緒に対して激しい怒りのみを抱き続けていたために、悪の権化だと思い込んでいた。
だが冷静になってみると、彼女もまたValkyrieの計画を動かす上での1パーツにすぎない。
ため息をつきながら、オロナミンを一口飲んだ。
しかしその時、偶然目があったメリーは何とも表現しづらい顔をしていた。
眠そうで虚ろになった目に悔しそうでムッとした表情だ。
「?ふぅ...ん?うっ...」
「どうかした?何処か痛むの?」
「いや...」
彩斗は先程と同じく鈍くも突き刺すような痛みを胸のあたりに感じた。
だが徐々に軽くなっていく。
痛みの感じとしては、直接的に殴られたり叩かれたようなものではない。
内側から湧き上がってくる感じの痛みだ。
彩斗はもう一口、ドリンクを飲んで糖分を補給して再び脳を動かす。
この感じは...毒?いや、毒だとしたらいつ盛られた?このドリンクか!?...いや開封された形跡は無い
だがよく考えれば前にも何度かこのような痛みを感じたことがある。
だとすれば、その度に毒を盛られているとも考えにくい。
「大丈夫ですか?兄さん?」
毒じゃない?そうだ、この感じの痛みは外的なものが要因じゃない。僕自身の抱えているものが原因...何かのアレルギー反応?
彩斗は自分自身の中に原因を探ろうとする。
そしてその中でも心臓付近の痛みに関するものに絞り込む。
僕の持っているアレルギーはソバ...花粉...待て、心臓に影響を与えるアレルギー...まさかアナフィラキシー!?蜂の毒か!?
彩斗の頭に最悪の想像が過ぎった。
先程、入浴している時に首筋に何かに刺された跡があったのを思い出す。
だが前にこの痛みを覚えた時も偶然、蜂に刺されていたとも考えにくい。
それにアナフィラキシーショックなら痙攣やめまい、呼吸困難等の症状も起こっている場合が多い上、蜂はともかくアナフィラキシーショックを起こす可能性のあるペニシリンは前に使った時は平気だった。
結局、振り出しに戻り、その間にも痛みは引いていった。
「疲れてる時って胸のあたりが傷んだりするものかな?」
「え?...確かに心臓は全身に血を送るポンプの役割を果たしてるわ。あれだけ激しい戦闘を行っていれば、通常の数倍、心臓や肺は活動しているだろうし...多分、そのせいじゃないかしら?」
「...だよね。ありがとう」
「...本当に大丈夫?」
「あぁ...うん。多分」
彩斗は次の一口でドリンクを飲み終えた。
そ
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