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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
47 ブリキの心臓
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っ端...あまり期待できないかも。でも念には念を。ハートレスらしいね」

だが彩斗は特に疑う様子を見せなかった。
本来なら彩斗に嘘は通用しない。
シンクロが働き、隠している「もの」はともかく、隠している「こと」だけはどうしても意識の上にあるため読み取られてしまうのだ。
アイリスは嘘が見抜かれずに安心した反面、不安に駆られた。

サイトくん、私が嘘をついてるのに気づいてない?そう...シンクロが使えないまでに疲れてるんだ...こんなに平気そうな顔してるのに...

彩斗の生命活動の一部とまでなったシンクロが自然に働かない程に疲労しているのだ。
先程の外出から1時間以上経つが、未だに回復する兆候が無い。
あの驚異的な回復力を以ってしても、そんな状態であるということは戦闘での疲労は想像を絶するものであったということだ。
アイリスは彩斗を心配しながらも会話が途切れないように、思いついたことを口にする。

「高垣美緒の端末は?」
「どうだろうね?さっきハートレスが僕に見せた高垣のデータによると、彼女は一応、Valkyrieの幹部クラスの人間ではあるけど、これまで今日のように工作を行っている現場に現れた記録は無かった。多分...」
「後方支援要員ってこと?」
「うん。つまり手を直接下すこと無い、I.P.Cの主要株主、そして自分の会社での立ち位置を利用して誰かにやらせる。それを考えると自然にインターネットがダウンした手口も想像がつく」
「高垣の仕業だったの!?」
「正確には高垣に唆された人間だと思う。東ニホンのインターネットを管制するデンサンシティのシステムの定期的なメンテナンスを行っているのは、恐らくI.P.Cのはずだ。5年近く前のシステムの設置にあたってもI.P.Cが中心になっていたってニュースで見た覚えがある」
「じゃあ、メンテナンスの時に?」

彩斗は入浴しながら、脳を休めつつも、頭の中を整理していたのだ。
一応、筋は通っているし、システムそのものに関しての情報から考えれば、かなり可能性としては高いものだ。

「多分、メンテナンスに行かせるエンジニア、それもギャンブルやヤミ金にハマったり、何かしらの弱みがある人間に接触して援助をすると持ち掛けたり、あるいは弱みで強請って、メンテナンスの時に時限式のプログラムを仕込ませたんだろう」
「......」
「西ニホンのインターネットを管制する才葉シティやエンドシティのシステムもI.P.Cと何かしら関連しているはずだ。この手の大型ネットワークシステムが構築できるとすれば、ニホンでは大手のI.P.Cとトリニティーブレインのどちらか。だとすればメンテナンスもそこに頼むのが自然じゃない?」
「なるほど...すごい、サイトくん。確かに同じ会社の中での権力者なら容易い...」

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