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歌集「春雪花」
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 無駄なりし

  想い焦がれし

   夏の夜の

 君に会えたる

    時ぞ陰りし



 あれだけ会いたいと切に願った彼は、一瞬で立ち去ってしまった…。

 まだ同じ様な夏の夜は来ると言うのに、もう君は来てはくれない…。

 一夜一夜…彼が遠ざかる様に感じ、淋しさだけが残ってしまう…。



 君に会えし

  刹那の宵の

    愛しきも

 去りてや哀しき

      夢の泡沫



 あの一瞬の再会…やはり彼を愛おしく思い、彼を愛していると再確認させられた…。

 彼が立ち去るや…まるで夢だったのではないのかと思った…。

 まるで夢が弾ける様で…哀しくなってしまい、自分の心をどうすれば良いのか解らなくなってしまった…。

 彼は…私の胸に様々な痛みを残していっただけだった…。




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