二十七話:過去と日常
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ミアの手記を読み上げていく。
リッドとオリヴィエの出会いは何でも夜盗から助け出したのが始まりらしい。
実際のところはオリヴィエが出張れば瞬殺だったらしいけど。聖王様パネェ……。
「夜盗から助けたのが出会いなんてロマンチックやねー」
「俺とお前の出会いなんて行き倒れている所を拾うところだからな」
「ちょ、それは言わん約束やって!」
「い、行き倒れ……」
俺とジークの出会いに思わずひいてしまうヴィヴィオちゃん。
このままジークの暴露大会を始めるのもおもしろいが話が進まないと困るので黙る。
何でもリッドはゼーゲブレヒト家の食客、つまりは居候になっていたらしい。
ジークと違ってちゃんと働いているとはいえ居候は遺伝的な物だったのか、エレミアェ……。
「クラウス殿下が出てくるのはいつ頃?」
「結構前の方みたいやね」
アインハルトちゃんの御先祖様であるクラウスと出会ったのはオリヴィエと同じようにシュトゥラに向かってからのようだ。
共に学び、共に競い、お互いを高め合いながら三人は穏やかな時を過ごしていったらしい。
その間にクラウスとオリヴィエは成長し戦地に赴く様になっていったとも書いてあった。
ファビアちゃんの御先祖様ともシュトゥラで出会ったらしく何故かリッドには懐かなかったらしい。
「でも、シュトゥラで四年が過ぎた頃、追い詰められた国々が自らも滅ぼす禁忌兵器を使い始めた。水と大地を穢す猛毒の弾薬。人も草木もすべてを腐らせる腐敗兵器。……なんでそんなもの使わなあかんかったんや」
「お互い感情的になり過ぎて退けなかった。憎しみの連鎖を断つには我慢するのではなく相手を滅ぼすしかないと思った……じゃないか?」
「……リヒターが真面目や」
「明日は雪が降るんじゃねーか」
「お前ら俺を何だと思っているんだ?」
人が折角まじめに語ったというのになんという反応だ。
一体俺のどこがそんなに不真面目に……思い出したら真面目ところがなかった。
今度からはもう少し真面目に生きていこう。
「聖王家はベルカの戦乱を終わらせるために『聖王のゆりかご』の起動を目指した」
だが、それが引き金となり聖王連合の「威嚇による圧制」を許すわけにはいかないと他の諸国が聖王連合へと一斉に反抗し始めたのだ。
泥沼の戦乱は続き、民はゆりかごの聖王に希望を託すしか望みが無くなってしまった。
そしてオリヴィエがゆりかごの聖王に選ばれクラウスはそれを阻止しようとしたが力及ばずに止められなかった。
彼女の笑顔を曇らすことも出来ずに……。
「リッドも軟禁されてクラウスと会う事も出来ずにその間にクラウスが戦死して……二度と会う事は無かったみたいやね」
「はい、私の記憶ともあっています
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