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俺と乞食とその他諸々の日常
二十七話:過去と日常
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おまけ〜ツンデレおっぱい侍〜


「よお、ミカヤ」
「なんだ君か。わざわざ道場まで来るなんて物好きだね。それで何の用だい? 私は忙しいんだ。用がないなら帰ってくれ」
「用はお前の顔を見に来た……じゃ、ダメか?」

 リヒターがそう告げると一瞬で顔をトマトのようにしながらミカヤは怒鳴りつけてくる。

「何を言っているんだい、君は!? そんな下らない用で来たのか? 馬鹿じゃないのか!」
「馬鹿で結構。というか、俺が来るのはそんなに嫌だったか?」

 彼女の反応をクツクツと笑って楽しみながら彼はさらに弄ぶように如何にも傷つきましたという風に肩を落としながら質問する。
 うっ、と息を詰まらせる彼女だったがそっぽを向きながらぶっきらぼうに答える。

「べ、別に嫌とは言っていない。ただ、君の理由がその……う、うれしかっただけだ」
「ん、最後なんて言ったんだ?」
「な、何でもないよ! ……バカ」

 ムスッとしてあらぬ方向を向く彼女を見ながら彼は笑う。
 不機嫌な彼女はその笑いに矛先を向け彼を居合で一閃しようとする。

「あ、危なっ! いきなり何するんだ」
「ふん、私の訓練中に近づくからだ」
「そもそも昨日行くって連絡してただろ」
「君の連絡なんて私が覚えているわけないだろ」

 彼女は刀を収めて道場の脇に置いていた荷を解き中から水筒と弁当箱を取り出していく。
 そして、チラチラと彼の方を伺いながら上ずった声を出す。

「オ、オカズを作りすぎたからついでに二人分もお弁当を用意してしまったのだが……も、もったいないから君に食べさせたあげるよ」
「ふむ、確かに食べ物を残すのはもったいないよな」
「ふん、分かればいいんだよ」

 いかにも偉そうに言いながらしっかりと二人分のお茶を注いでいるあたりまだまだ注意力不足だろう。
 後でお茶は何も言わなくてもくれるんだなといじられることが分からないのだから。
 彼はお弁当を受け取りしげしげと眺める。彼女は興味が無さそうに振る舞っているが視線は一秒に一回は彼とお弁当を見ているので感想を聞きたくて仕方がないのだろう。
 彼もそれは分かっているので一口食べて感想を言う。

「うまいな。これなら毎日でも食べたいぐらいだ」
「当然さ、この私が作ったのだからね…て、ま、毎日?」
「どうしたんだ、ミカヤ?」
「な、なんでもない。君も変なことを言うな!」

 顔を赤くして必死にごまかそうとする彼女が面白くてさらにからかいたくなるが弁当を取り上げられると困るので彼は我慢して話を続ける。

「なあ、また今度弁当を作ってくれないか?」
「はぁ? 君は何を言っているんだい。……と、言いたいところだが。ま、まあそこまで言うんなら作ってあげてもいいよ。き、君が作ってほしい
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