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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第42話 運命の時へ…
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たジャックは。

『……ッ!!!』

 再び驚いた表情になった。

「む…? さっきからどうしたんだ? 驚く様な会話をしているとは思わんのだがな?」

 御子神にすればジャックがそこまで驚く理由がわからない為、不思議には思っていた。

『変わっていないと言うならば……。《運命の時》が近い…か…』

 御子神に聞えないほどの大きさの声で呟いた。

「なんだって?」

 聞えなかった為、御子神は再度、ジャックに聞きなおした。
 
『いや 何でもない……さ』

 ジャックはそれ以上は何も言わず、御子神に背を向け燦のほうに向かって歩き出した。


『燦。どうだ? この学校についてはよくわかったか?』

 ジャックは、いつもと変わらぬ笑顔で聞いていた。燦の前では決して笑顔を絶やさない。そう決めていたから。

<うん! とてもよくわかった!! 私、学校ってところに憧れていた事すっかり忘れてた… もう大丈夫だよ!将来…お父さんに迷惑がかからないようにしっかりする!それで…卒業したら…お父さんとずっと…ずっと一緒にいるから! 一緒に暮らそうっ! 私、頑張るからっ!>

 燦は、必死にペンを走らせ、自分が想っている事を書き続けた。勿論、笑顔だった。

『そうか…… それはよかったな! 卒業か… ははは。楽しみだな。あ、 でも、ちゃんと働かないと社会には出て行けないぞ? 大丈夫か??』
<あはは! わかってるよ! お父さん! ずっと、めいわく、かけられないからっ!>
『迷惑、と思う事は無いけど……やっぱり、燦の事を思えば、な?』
<ぁ……、うんっ! がんばるからっ>

 燦は笑顔でそう答えた。ジャックの事が大好きでいつまでも一緒にいたいと想っているけれど、ちゃんと自立出来てこそだと思っていたから。

『ははは……、そうだよな。燦は賢いから。燦 後な、少し出かけるところができたんだ。何十年来の友人と会ってくる。約束していたのをすっかり忘れていたようだ』

 そう言うと燦は少しくらい表情をした。

『……お前はまだまだこの学園で勉強しなきゃな。それに友達も出来るかもしれないぞ? 心配するな。また…会いに来るから』

 燦の頭を撫でながらジャックは言った。すると、少し暗かった表情が明るくなる。

「うん… お父さん… 気をつけてね」

 燦は、筆談では無く、彼女自信の声で答えてくれた。

『!! ……ああ ありがとな』

 驚いた表情を見せたが…すぐ笑顔になり、燦に笑いかけた。その身体を包み込む様に抱きしめる。燦からの言葉は、ジャックにとって……何よりも贈る言葉となったから。


『じゃあ 行ってくる』
<気をつけて…>

 燦は、直ぐに筆談に戻ったけれど、
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