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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第41話 陽海学園
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ック……、思ったより早かったな。連絡は受けているよ。その子については安心したまえ。既に編入手続きの方は取ってある」

 迎えてくれた御子神には、燦については一通り説明していた。彼女の生い立ち、そして妖力が高い事を。その正体はセイレーン《音曲の大妖》だという事。
 様々な妖が集うこの学園だから、大妖と言う事自体は驚かないが、セイレーンについては、『最も神に近い妖』と謳われている事もあるから、少なからず 驚いていた様子だったが、分け隔てなく迎え入れてくれた。
 それは 彼女の生い立ちを説明した事もあるだろう。

<あ あの… よろしくお願いします>

 燦も必死に頭を下げ、筆談で挨拶をした。

「ああ こちらこそ。 この学園は君のような孤児も沢山いるからな。 彼らのことを君ならわかってやれる、だろう? そして 新しい家族は本人次第でできるということもな」

 燦は自分と同じ境遇の子達だ沢山いることを聞いて、

<はい!>

 力強く答えていた。 自分が…これまでしてきた経験を、役に立てるかもしれないからだ。今まで守ってもらってばかりだったから、心から守ってくれていた事ばかりだったから。
 その事が、彼女に勇気を齎してくれた。ここで、やっていけるかどうかが、心配だったから。

 そして、学園に関する説明に入る。

「説明はこの猫目先生がしてくれる、判らない事は何でも聞きなさい」

 御子神がそう言うと、理事長室で控えていた、猫目先生が一歩前に出た。

「はぁい! よろしくね〜!! 燦ちゃん」

 猫目は、にこりと笑いながら、燦に話しかけた。燦は少し驚き、たじろぎもしたけれど、直ぐに。

<こちらこそ、よろしくお願いします。>

 そう挨拶を交わした。目を見たらよく判るから。
 良いひと、だと言う事が。そして、この理事長である御子神もそうだ。表情は見えづらいし、目も見えないけれど、自分が最も信頼している、大好きなジャックが信頼しているのだ。それだけでよく判ると言うものだった。

 燦は、そう思うと同時に、ジャックの顔を見た。そして目が合う。

 燦はにこりと笑った。そして、ジャックも同様に笑っていた。


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