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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第146話 2人の勇者
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かいない、と思っていたんじゃないか?
その醜いプライドを満足させて喜んでいたんじゃないのか?
ならば、この結果は報いなのだろう。
その醜いプライドのせいで、助かる筈だった真の勇者をも巻き込んでしまった。深く根付いている闇に囚われてしまった。
これで、もう1人だ。……1人では、何も出来ない。
ただの無力で、無邪気な子供。
残されたのは、後悔。自責の念。それらにゆっくりと自分の精神を食い尽くされればいい。それこそが、自分への罰だ。……それさえ嫌だと言うのなら、思考を放棄する以外無い。
『どうした、逃げ出すのか?』
――……違う、現実を認識するんだ。オレは何も出来ない。なんの力も無い男なんだから。
『屈服する、と言うのか。かつて君達が否定したシステムの力に?』
――……仕方ないじゃないか。オレはただのプレイヤー、そしてメッキが剥がれた偽物の勇者なんだから。そんなもの、がゲームマスターに敵う道理はない。
『それは、あの戦いを汚す言葉だ。彼が君に全てを託し、そして君が意思を受け継ぎ未来へと繋げた。……君のその言葉は、全てを君に託した彼をも汚す、と言うのか?』
――……汚す? 何の事だ。ただ、事実を言っただけだ。オレはただ横から勝利をかっ攫っただけなんだから。
『違うな。あの時の戦いでのその力はシステムを上回った。確かに、それには彼の意思が宿っていたから、だろう。……だが、宿主が君だったからこそ、真の力を、システムを上回る力を出すことが出来た。……その時、私は悟ったのだよ。システムを上回るのは人間の意志の力。未来の可能性を紡ぐのは、人間の意志の力だ。……その可能性を悟らせたのは、あの戦いがあったからだ』
――……戦い? それも無意味だ。単なる数時の増減だろう?
『そうではない事を、君は本当は知っている筈だ。さぁ、立ち給え、キリト君。あの世界での姿を思い出し戦い給え』
『――立ち給え、キリト君』
最後の一声は、雷鳴のように轟いた。キリトの意識が覚醒していく。
『あの時のお前の言葉があったからこそ、オレは立ち上がることが出来たんだ』
新たに聞こえてくる言葉。雷鳴の様に轟く中、確かに聞こえてきた言葉。
『最後の最後まで諦めない、と言う事を改めてキリトに教えてもらったんだ。諦めない……また、会おう、キリト。……必ず』
歯を食い縛る。身体を縛る重力と、自身を磔刑にしている剣。……剣を認識した、意識し直した。
これは
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