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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第146話 2人の勇者
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るで血肉に、この世界で身体を動かしている神経に宿ったかの様だ。赤い炎を宿したキリトの全神経は、身体にかかる重圧を吹き飛ばすことに成功した。
――……所詮はデジタル・データの世界。
あの男が何度も言っていた言葉だ。
――強い想いは、システムをも打ち破る事も出来る。
あの世界で体現した事だ。今、やらなくて、ここでやらなくて、一体いつやるんだ!
「ぐ……おおっ!!」
キリトは、右手を突っ張り、身体を床から引き剥がした。片膝をたて、そこに全身の力を込めてじわじわと身体を持ち上げていく。
データ状では有り得ない結果だ。
如何なる力、パラメータをもってしても解く事は適わない重力の呪縛を解いた。だが、絶対的に有利な状態にある須郷の笑みは崩せなかった。
「やれやれ、君は観客なんだよぉ? この世界の主役である僕とヒロインである彼女との逢引を邪魔しないでくれるか? 観客は大人しく、そこで這いつくばっていろ!!」
須郷は、立つ事もやっとの状態のキリトに思い切り蹴りを放った。立つ事は出来ても満足に動く事が出来ない。その蹴りをよける事が出来ず、キリトは直撃をしてしまった。
「ぐあっ!!」
腹部に受けたその一撃は、キリトの肺から空気を全て奪う。それ程までの衝撃に思わず声を上げ、再び手を付いてしまった。だが、倒れたりはしない。もう一度、倒れてしまえば……二度と起き上がれない。キリトはそう思ったのだ。
だから、何としても、この男を……。
だが、その想いは叶わない。
須郷の凶刃が、キリトから奪った漆黒の巨剣がキリトの身体を貫いたのだ。
その一撃は、キリトの腹部を穿ち、痛みと言う信号が全神経に伝わる。貫かれた腹部から、全身を覆った。
「が……はっ……!」
その分厚い金属が身体を貫く。そんな光景をみせられたアスナは思わず絶句してしまう。
「き……キリトくんっ!!」
アスナの悲鳴を聞いて、キリトは我に返った。この程度、アスナの痛みに、リュウキの痛みに、レイナの痛みに比べたら何でもない。そう、強く想い、踏みとどまろうとしたが。
「システムコマンド! 疑似痛覚機能をレベル8に変更!」
そう須郷が言った途端、突然痛みが増した。鋭い錐で肉を抉りながら、身体の中に入ってくる様な感覚に見舞われる。そして、痛みも先ほどよりも更に増してきた。
「っ……ぐっ……」
踏みとどまる事が出来ず、キリトは再び地に伏してしまった。高く、登った筈なのに、奈落に叩き落とされた感覚と共に。
「くくく、まだツマミ2つなんだよ? 君。段階的に強くしてやるから楽しみにしていたまえ。……彼の様にねぇ?」
須郷は、愉快そうな含み笑いを響かせながらそう言う。そし
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