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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第146話 2人の勇者
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隼人はその言葉を聞いて、ニコリと笑った。そして、慌てている彼女の右頬に手を沿え、彼女の視点を誘導した。映し出されている彼等の姿が見える場所へと。

「あっ……!!」

 玲奈の顔は、ぱぁっと花開く様に笑顔に戻った。そこには、同じく笑顔で、涙を流しながら手を振る姉が。……隼人と同じく、ずっと待っていた大切な姉がいた。
 キリト、和人と共に。

「安心、した?」
「……うんっ!」

 玲奈は頷いた。そして、再び流れ出た涙を拭い。

「お姉ちゃんには謝っておかないとっ。私、隼人君の事しか頭になかったから…・・・」
「……//」

 冬を越えて、春に。
 蕾から花開く様に、自然と笑顔が戻ってきていた。この世界から、現実へと還るその瞬間まで、玲奈は笑顔だった。最後の最後まで、隼人の温もりを感じながら、隼人の腕の中で。


――……現実でも、早く隼人君に会えます様に。


 淡い結晶体となって、消える瞬間。まるで、煌く星に願いを言う様に。腕の中の少女は囁かで、そして何よりも願っている言葉を口にしていた。これに応えなければ、最早男として、玲奈の恋人として失格と言っていいだろう。

「……勿論だよ。オレも……いや」

 隼人は願おうと言葉にしようとしたが、直ぐに首を振った。

「叶える。必ず」

 少女の願いを叶えるのが自分の仕事だ。願いは、もう叶えられた。失われた記憶は戻り、彼女の事を、皆の事を、あの世界で生まれた大切な絆を思い出す事が出来たんだ。
 これ以上は、欲張りだろう。

 後は、自分で叶える。自分自身の力で、玲奈の為に。そして、次の瞬間。

 まるでタイミングを図ったかの様に、ヒビを入れていた大地の亀裂が更に広がり、硝子が割れる様な音と共に、大地が開いた。


「……そう、だったな。あの男にも還さないと」


 隼人は吸い込まれる様に、下へと落ちていく。落下する、と言うのに、落ち着きを払っており、どこに行くのか判っていた様だ。

そう、落ちた場所は。

「……キリト、いや、和人」

 アスナを解放し、涙を流して立っていた男がそこにはいた。

「っ……」

 和人は、リュウキが、隼人がここへと来た事を知り、涙を拭った。


「……遅いぞ? 隼人」
「悪い。……ただいま」
「ああ。……おかえり」


 和人は、判っていた。あの時の隼人が戻ってきたのだと言う事を。

「助ける事、出来たな。互いに……。良かった。本当に……」
「ああ、約束、だろ?っ……、か、かっこうつかないな。大の男2人が涙を流すなんて」
「……これは、内緒にしていてくれ」

 隼人と和人は表情はそのままに、涙だけを流していた。そして、握手を交わした。

 これで、あの時
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