マブラヴ
1061話
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鬼だけが相手だから、空を飛んでくる相手はいないし。攻撃するにしても……」
そう呟きつつ、純炎の涙を使って空中で移動する。
すると数秒前に円の身体があった位置を、鳥居の破片と思われる物が通り過ぎていく。
「ね? 見ての通り、地上からは物を投げるくらいしか攻撃手段がないから、まず心配いらないわ」
「普通なら妖術なり何か特殊な攻撃をしてきてもおかしくなさそうだが……そういうのもないのか?」
鬼とは言っても、中には魔力や妖力といった力の扱いに長けている者がいてもおかしくない。
そう思った俺の問い掛けに、しかし戻ってきたのは小さく横に振られる首というものだけだった。
「どうやら、良く言えば前衛系。悪く言えば脳筋だけが集められてるみたいよ? 身体強化をする鬼はいるけど、特殊な攻撃をしてくる鬼の姿はないわね。……もっとも、気で身体強化をしてさっきみたいにこっちに向かって物を投げつけてくるって時点で多少は厄介だけど」
小さく肩を竦める円。
その際に、アラブの踊り子の如き衣装の下で、平均よりも大きめな双丘がユサリと揺れる。
今がどういう時か……それこそ関西呪術協会にしてみれば、自分達の本拠地近くまで攻め寄せられているという事態にも関わらず、思わず円の肢体へと目を奪われた。
……これは多分、昨夜ここに泊まってあやかや円を抱いていないからだな、うん。
自分に無理矢理言い訳をしていると、そんな俺の視線に気が付いたのだろう。円がふと悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「あら、どうしたのアクセル君。もしかして私の姿に見惚れてた?」
ふふっと笑みを浮かべつつ、俺を誘うように扇情的な表情を浮かべて踊り子の衣装を軽く揺らす。
その仕草は、戦闘中にも関わらず……いや、寧ろ戦闘の最中だからこそなのか、俺の目を惹き付け……
「ちょっとぉっ! あんた達、この一大事の中で何やってんのよぉっ!」
地上から聞こえてきた神楽坂の声で我に返る。
……もしかして、俺達の会話が聞こえてたのか?
何だかんだで神楽坂の身体能力や五感も人間離れしてるよな。
咸卦法を使ってる訳でもないのに、あれだけの能力を叩き出すのは素直に凄い。
「残念ね。アスナに怒られちゃったから、この続きはまた今夜にでも」
いつもは真面目なだけに、こうしてたまに艶っぽく笑うとそのギャップにやられる。
俺の頬をそっと撫で、唇同士だけの重ね合わせるだけのキスをしてから円は他の場所へと飛んでいき、再び地上にいる鬼へと向かって炎を打ち出す。
「あ、あわ、あわわわわ……」
そして、俺達の近くで顔を真っ赤に染めながらあわあわ言っているのが、烏族の白い翼を露わにして大太刀を手に持っている桜咲。
どうやらキスシーンは刺激が強すぎ
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