マブラヴ
1061話
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ったらまだ良かったんだが。
ともあれ、不幸中の幸いと言うべきか、単純に幸いだと言うべきか、今ここから少し離れた場所では未だに鬼と関西呪術協会の戦いが続いている。
向こうではあやかと円の俺の恋人2人に、大学を卒業したらシャドウミラーに入る事になるだろう近衛と桜咲。後は何だかんだで付き合いが長くなりそうな神楽坂といったように俺の知り合いもいる。
詠春が向こうに行った以上こっちの勝ちは揺るがないだろうが、それでも少しでも早く戦いを終わらせた方がいい。
……まぁ、入手した鬼眼というスキルを使ってみたいという思いがあるのを否定はしないが。
ともあれ、鬼眼を習得した身体の痛みも既にない。後は実際に鬼眼を使って実験し、同時に敵にダメージを与えるという一石二鳥の手を試すにはもってこいだ。
混沌精霊としての力を使用し、空中へと浮き上がる。
そのまま未だに戦いが続いている方へと向かって移動し……
「うおっ!」
突然飛んできた風の刃を纏った呪符の一撃を咄嗟に回避する。
慌てて地上へと視線を向けると、そこには10人を超える陰陽師と神鳴流の剣士が俺の方に視線を向けていた。
しかもその視線は申し訳ないという謝罪の視線でもなく、どちらかと言えば絶望に満ちた視線だ。
……何で俺にそんな視線を向ける?
「ちょっと、アクセル君。姿、姿! 大魔王様の状態になってるわよ!」
地上の鬼へと向かって炎の塊を雨霰と降り注いでいた円が、慌ててそう叫ぶ。
そして地上の方では、あやかと神楽坂が慌てて周囲にいる者達に俺の事を説明している声が聞こえてくる。
ああ、なるほど。確かに俺のこの格好を見れば、角が生えているんだし鬼の援軍と勘違いしても仕方ない。
とにかく敵と間違われないように元の姿に戻っておくか。
指をパチンッと鳴らして身体全体を白炎で覆い、次の瞬間には俺の姿は20代で多くの者に知られているアクセル・アルマーへと戻っていた。
同時に、先程俺の方へと攻撃してきた陰陽師の顔色が真っ青になる。
……まぁ、それもしょうがない。鬼の援軍だと考えて死を覚悟して攻撃した相手が、実は関西呪術協会の新しい取引相手として貿易の交渉に来ていたシャドウミラーの代表だったんだから。
俺の姿を考えれば攻撃したのも分からないではないが……その辺の償いに関しては、貿易の交渉であやかに頑張って貰うとしよう。
個人的にはこっちに被害が出てないし、さっきの呪符に関してもこっちの魔法障壁を貫ける威力はなかったし。
ともあれ……
「どうやら無事だったらしいな」
空から攻撃していた為だろう。こうして見る限りでは円は特に怪我をしている様子も見えない。
「まぁ、その辺はね。向こうも一応こっちに攻撃してくるけど、修学旅行の時と違って
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