暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第143話 闇との邂逅・開かれた記憶
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くれた。……私を愛してくれた』

 何度も何度も……響く声。

『心も、身体も、助けてくれた』

 それは、まるで泣き叫んでいるかの様だった。







「おっと、そうだったなぁ。……ここにはもう1人、ゲストがいたんだったよ」
「っっ!!」
 
 狭山は指を鳴らした。そして、リュウキの傍に、現れたのは……。

「………ぁ」

 アスナの様に鎖で繋がれた少女がいた。何も無い暗黒の空から、彼女がゆっくりと降りてきたんだ。

「愛しのリュウキ君に会えたぞ? 最後に会えて良かったなぁ?」

 そう言うと、狭山は彼女の髪をぐいっと上に持ち上げ、無理矢理にリュウキを見せた。その顔は……。

「………」

 リュウキは、表情が固まった。彼女の顔を見た瞬間。最後まで閉ざしていた鋼鉄の扉が崩れ落ちる様に崩壊し、開いた。


 
 堅く閉じられていた彼の最後の記憶の扉が、今、開かれた瞬間だった。



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