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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第142話 世界の核心まで
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下を見た。そこでは、治癒術師に専念すると言っていたレコンが奮闘していたのだ。その決死の叫びと魔法で、僅かながら キリトとリュウキの2人に向けられていたタゲを自分自身に向ける事に成功していたのだ。
「無茶を……」
レコンの事は、リーファから聞いている。レコン自身の戦闘スタイルについてもだ。今回の様なクエストでの戦いには思い切り不向きだと言う事も知っている。だが、その事実もまるで一蹴するかの様に、レコンは声を振り上げ、魔法を打ち放ち、敵を屠り続けた。随意飛行もまだマスターしてなく、己の指先で翅を動かしているというのに、驚くべき集中力で、殺到しているガーディアンの剣、槍をかいくぐり続けていた。
「……下を向くな、キリト!」
リュウキは、打ち合わせと違う行動を取っている彼を見て、様々な思案が浮かんだのだろう、数秒だが動いてなかったキリトにそう言った。彼は自分たちの為に、行動をしてくれている。……どちらかといえば、リーファの為、と言うのが大きくウエイトを占めているだろう。だが、結果的に自分たちの為にでもあるのだ。その彼の頑張りを無にする訳にはいかないだろう。
「あ、ああ!」
キリトも、リュウキの言葉で直ぐに体勢を整え直した。あの根性に報いるためにも、自分たちが上へと登らなければならないから。レコンに敵の気が向いたなら、僅かにだが攻撃の手も緩まる。
「やぁぁぁ!!!」
魔法を2度、3度と 打ち放ち、もう10体程のガーディアンを討ち沈めたレコン。その懸命な戦いに、リーファは思わず胸を衝かれたが、それがいつまでも続くとは到底おもえなかった。何よりもここは空中だから。苦手な戦闘空間であそこまで戦えている事自体が驚嘆なのだから。
レコンのMPバーもHPバーどんどん減っていく。
「レコン! もういいよ! 外に逃げて!!」
もう見てられなくなり、リーファはそう叫んだ。一度戦闘に入っても、入口さえ抜ければ脱出は出来る。……無論、一度でも抜けた者は、中の戦闘が終わるまで復帰する事は出来ない。だから、もう1人で彼等をフォローする覚悟を決めたリーファは、限界ギリギリまで奮闘するレコンにそう言っていた。
だが、レコンは退こうとはしなかった。
その代わり……、リーファの方をちらりと向いていた。何その顔にはある種の決意に満ちた笑みが浮かんでいる。リーファは、そう感じ これ以上声を上げる事が出来なかった。
『今はゲームじゃない』
そう言ったのはリーファだ。
そんな世界の戦いで、決意を、覚悟を決めた者を止める事など、もう彼女には出来なかった。
レコンは、両手を翳し、詠唱に入った。コントローラを投げ捨てる様に消し去る。
もう、ここから先には飛ばない。……ここから先に行
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