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ソードアート・オンライン〜連刃と白き獣使い〜
第一話 始まりの詩
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しても、クウトって、すごい、よねっ!何でも、出来てっ!」
練習しながらクレイが言うと、俺は言い返す。
「何でも出来るなんてことはない。俺だって人間だ、出来ることは限られてくるさ。お前みたいにな」
俺は言うと、自らの装備である曲刀をストレージから出し、短剣を仕舞い代わりに装備して曲刀を振るう。
「……フルダイブ、って言うのも暫く慣れは必要だよな」
俺は言うと、時間を見る。時間は、五時半のちょっと前。落ちるにはいい時間だろう。報告書も書かねば行けないと思い、クレイに言う。
「クレイ、俺はもう落ちるが、お前はどうする?」
「うん、もう少し練習してから落ちようかな。ありがとうね、クウト」
「ああ。何かあればメッセージくれ」
俺は言うと、再びウインドウを開く。

その時点で、このアインクラッドーーーー引いてはソードアート・オンラインが正常に機能していたのは、この瞬間までだった。

「……ん?」
ウインドウを開けて、ログアウトしようとした俺は、呟く。
「……ログアウトボタンが、ねぇ」
俺は信じられずに、クレイに言う。
「クレイ、少しウインドウ見てくれないか?」
「え、良いけど……」
クレイもウインドウを覗き、眼を見開いた。
「無い、ログアウトボタンが無い!!どう言うこと!?」
「落ち着けクレイ」
俺は冷静に言うと、クレイは落ち着きを取り戻す。
「……ごめん」
クレイが落ち着いたのを見ると、俺は言う。
「しかし……、サブゲムマスとして言わせてもらうが、何やってるんだあの人は……」
少し小さく呟くと、俺は溜め息を付く。
「……他にログアウトの仕方がねぇから、放送あるまで待つしか無いな」
「確かに、マニュアルにもその手の奴は書かれてなかったもんね……」
クレイは言うと、明らかに落ち込んでいる様に見えた。
声をかけようと口を開いた瞬間。
突然、リンゴーン、リンゴーンと言うサウンドがなり響き、俺とクレイは武器を構える。
「何!?」
「いや待て、これはーーーー!」
お互いの体を見て、眼を見開く。
転移の現象が、今俺達に発生しているのだ。しかし、アイテムを使わずに転移することは不可能で、実質的に運営による強制転移だとしても、何のアナウンス無しにいきなりすぎる。
そこまで考えると、俺達の体は、第一層<始まりの街>の中央広場に転移していた。
「クウト……」
「クレイ、無事か」
俺はクレイの側に行くと、次々に転移されてくるプレイヤーを見た。恐らく見積もって一万は軽く存在している。初日サービス開始故の出来事だ。
数秒の間は静かにしていた人々だが、やがてざわめきが広場に広がる。
「クウト……」
クレイが俺のコートを握る中、不意に誰かが叫んだ。
「あっ……上を見ろ!」
声と同時に上を向いた俺は異質な物を見た。
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