インターミドルに向けて
二十三話
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ご滞在、ありがとうございました〜!」
とアルピーノ親子に見送られ、ミッドチルダに帰ってきたのは既に昨日。
今現在、ヴィヴィオはリオとコロナと共に、ノーヴェから指示された地点へ向かっていた。
「ここかな?」
「えっと……うん、そうみたい」
目的地はヴィヴィオ宅と学校との中間地点にあるアパートの一部屋。何度かメールに添えられた部屋番号を確認したが、間違いはない。
本日はインターミドルに向けた特訓のミーティング。その後に全員で軽い息合わせのトレーニング。七時間の時間差で生じる時差ボケを考慮したノーヴェからの通達だ。いつも通り外で待ち合わせかとヴィヴィオ達は思っていたが、流石にアパートだとは着くまで思いもしなかった。
いったい誰が部屋主なのだろう。もしやノーヴェがスバルに習って一人暮らしを始めたのだろうか。だとすれば、先に一言ありそうなものだが……
ともあれ、いつまでも立ち尽くしている訳にもいかない。ヴィヴィオ達は顔を見合わせ、一つ頷き合ってからインターホンを押した。
僅かに間の後、扉を開けた人物は、意外にも自分達のコーチだった。
「おう、来たな」
「ノーヴェ! ここノーヴェのお部屋? 一人暮らし始めたの?」
「いや違うけど……まぁ、詳しい話は中でするぞ。先ずは入れ」
「はぁい。じゃあ、お邪魔しま〜す!」
『お邪魔しまーす!』
ヴィヴィオ達は靴を脱ぎ、ノーヴェに案内されるままに中扉を潜ると、見知った2人が居た。
1人は台所で紅茶の準備をしているアインハルト、もう1人はベッドでふてぶてしく寝っ転がるアレクだ。この部屋主は2人の内どちらかだろう、と会釈をしつつ考えた。
ぱっと見では、おそらく……
「此処ってアインハルトさんのお部屋ですか?」
「え?」
「……ぷっ」
カップを出し紅茶を注ぐ姿は、部屋の物を把握していると見て取れる。人様の部屋ではこうもテキパキとした動きはできないだろう。アレクの態度も、アインハルト相手ならありえそうだ
と思ったのだが、当のアインハルトは驚いていて、事情を知ってるだろうノーヴェは吹き出している。つまり……
「此処ってアレクさんのお部屋なんですか!?」
「たぶん、きっと、そうだと思われ……る」
「ご、ごめんなさ〜い!!」
ヴィヴィオは慌てて駆け寄り謝まるが、アレクは死体の様に脱力し、枕に突っ伏した。
アレクからしても、此処は自分の部屋なのか自信が無い、無くなってしまっている。
手際よくカップを用意するアインハルトは食器類や調理器具の在り処を把握しているが、部屋主のアレクは使用方も含めて殆ど把握できていない。
部屋にしても、ティアナに鍵を複製され入りたい放題。今日とてノー
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ