暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico31-A乙女の恋路を邪魔する奴は首チョンパ?
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「ありがとう?」

服四式をルシルに買ってもらった。そのお礼としてわたしは・・・

「ほらほら、ルシル。試着室へどうぞ〜♪ わたしがルシルの服を見繕ってあげる♪」

「いや、嫌な予感しかしないからいい。どうせ、レディース服を持ってくるんだろ」

ギクッ。

「ほら見ろ。はーい、出るぞ〜」

「あ〜ん。イジわるぅ〜」

そそくさと店を出るルシルの後を追いかける。ひょっとして今ので一気にレッドカードで、今日のデートはこれにて終了・・・なんてことはないよね? 店の外に出ると「ほら、次に行くぞ」ルシルは待っていてくれた。しかも怒ってるわけでもなく、ただ、しょうがない奴だ、って風に呆れてる感じ。

「(ホッ。良かった〜)ん。じゃあ、変に時間潰すより目的地にササッと向かおうか」

下手にルシルをイラつかせてデートそのものが潰れないために少しは自重しよう。というわけで、改めて中央区アヴァロンへ向かうバスの停留所へ向かう。ザンクト=オルフェンを走る公共交通車両は、ミッドの効率重視の一般的デザインを採用してなくて、クラシカルなデザインばかり。今から停まろうとしてるバスも2階建てのクラシカルバス。

「アヴァロンに付いたらわたしがエスコートするよ」

「ああ、任せるよ」

料金を払った後(これはわたしがルシルの分も払った)、屋根の無い2階に上がる。すでに何人かのお客さんが居て、わたしを見るなり小さくお辞儀してくれたから、わたしもお辞儀返ししながらルシルと一緒に階段近くの席に座る。

「やっぱり有名なんだな、フライハイト家は」

「聖王教信者の人なら、って付くけどね。ザンクト=オルフェンに住むベルカ人全員が聖王教の信奉者なわけじゃないし。まぁでも、挨拶くらいはするし、されるよ」

「有名人は大変だな。地球で言う芸能人クラスだろ」

「あー、母様が父様と婚約・結婚・妊娠した時やわたしが生まれた時もアヴァロンでちょっとしたお祭りがあったって聞いたし」

「実質的にザンクト=オルフェンの統治者だからなぁ、フライハイト家は。当然と言えば当然か」

いつかわたしとルシルとでそんなお祭りが開かれればいいなぁ。でもここではそう言わない。今日の最後で、ね。流れてくザンクト=オルフェンの景色をルシルと一緒に眺める。冬の風がわたしの髪を靡かせる。けど心がポカポカだからちっとも寒くない。そうして20分くらいかけて中央区アヴァロンへ到着。ここまで来ると完璧にベルカ文化の、ルシルが好きな街並みになってくる。

「――よーし! エスコートしちゃうよ!」

またルシルの手を引いて石畳の街路を往く。アヴァロンは聖王教信者が多く住んでいるから、「おかえり、イリスちゃん!」とか、「お? もしかしてデートかい?」とか、「こりゃめでたい♪」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ