暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
1060話
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30秒。
 それだけの時間が経っても一向にスキルの習得の予兆はなく、不意につい数秒前に思ったスキルを習得出来ないという事を思い出し、もしかしてそれが本当にそれなのか? そう思った瞬間、ソレは訪れる。
 ドクンッ!
 混沌精霊のスキルや、魔法のスキルを習得した時程に強力ではなく、何とか意識を保っていられる程度の衝撃。
 それでも意識を保っていられるという程度であり、決して普通に身動き出来るという状態ではない。
 事実、今の俺は地面に踞っている状態であり、身動きが出来ない状況にある。
 身体に何かが流れ込んでくるような感じ。
 ちっ、護衛に炎獣を作り出しておいて正解だったな。
 ……いや、この状況で炎獣が消えたりしている可能性もあるか?
 不幸中の幸いなのは、この酒呑童子と戦っていた場所が、他の戦場から随分と離れている事か。
 頭と身体のズキズキとした痛みを感じつつ、そちらに意識を集中しないようにしながら考えを纏め……そのままどれ位経った頃か、やがて先程まで感じていたソレが完全になくなった……より正確には、俺の身体に完全に吸収されたのを理解する。
 幸い、未だに遠くから爆発音を含めた戦いの音が聞こえてくる以上、殆ど時間は経っていないんだろう。
 その辺は幸いだったな。
 ……さて、それで酒呑童子からは何を吸収した?
 魔眼か、あの馬鹿げた再生能力か、はたまた爪の一撃か。
 そんな風に思いながらステータスをチェックすると……

「……何?」

 思わず呟く。
 確かにスキルに新しく1つ加わっていた。だが、それは魔眼でもなく、再生能力でもなく、爪の一撃でもなく……

「鬼眼、だと?」

 そう。新たに習得したスキルは鬼眼というスキルだった。
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