マブラヴ
1060話
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狙撃銃、いわゆるアンチマテリアルライフルの威力にすら匹敵するような一撃が連続して酒呑童子の方へと向かい、俺の射撃能力と命中の高さ、ガンファイトというスキルの効果もあって、その全てが命中する。だが……
「がああああああああっ! こんなんで儂をやれると思ってるんかぁっ!」
周囲に響く酒呑童子の怒声。
事実、放たれた弾丸は酒呑童子の皮膚を破り筋肉を抉りはしたが、骨を砕くまでのダメージは与える事は出来なかった。
そして、肉を抉る程度の傷では当然酒呑童子に対して致命的な一撃を与えられる筈もなく、その怪我は片っ端から回復していく。
それでも、こっちに向かって突っ込んでこようとしたその行動を妨害する事には成功しており、酒呑童子は動こうとした体勢のままで重機関銃の攻撃に何とか耐えていた。
回復するはしから弾丸を叩き込まれ、銃弾が与えるダメージと回復の速度は丁度均衡を保っていた。
これが骨を破壊するような一撃を放てるのであれば話は別なのだろうが、酒呑童子は魔力や気、あるいは妖力といった何らかの手段を用いて身体強化をしているのだろう。
元々鬼としての身体の頑強さもあるのだろうが、その結果こうして危うい均衡を保っている訳だ。
「ちっ、ならこれでどうだ!?」
「が、がぁっ!? 何をした貴様ぁっ!」
相変わらず重機関銃を連射しながら、俺が放ったのは念動力。
念動力Lv.10の力を使い、その身体の動きを縛ったのだ。
同時に、右手で持っていた重機関銃を空間倉庫へと収納――左手では相変わらずトリガーを引いたまま――して、脳裏のリストから手榴弾を選択。右手へと取り出す。
それが何なのかを理解した訳ではないだろうが、それでも危険だというのは本能的に察知したのだろう。念動力を破ろうとし……一瞬ではそれが出来ずにその場で暴れ、次の瞬間には手榴弾が盛大に爆発を起こす。
周囲一帯に爆煙が広がるのを眺めつつ、左手で持っていた重機関銃も空間倉庫へと収納し、様子見へと移る。
それなりに高い威力の爆発だったんだから、致命傷とまでは言わずとも……そんな風に考えている俺の視線の先で、急速に爆煙が消え去っていく。
遠くの方で雷が落ちていたりする音が聞こえてくるので、その衝撃によりこちらの爆煙を消し去ってくれたのだろう。
そうして現れたのは……左右の足をグシャグシャに砕かれ、地面に転がっている酒呑童子の姿だった。
さすがにシャドウミラー技術班謹製の手榴弾だけあって、その威力もまた通常の手榴弾とは比べものにならない程に高い。
重機関銃二丁の弾丸を数分近く受け続けても殆ど被害を与えられなかった酒呑童子の防御力の高さを思えば、それは容易に理解出来るだろう。
だが、それでも技術班の作り出した手榴弾の威力には抗えなかったと見える。
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