第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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フードをとり頭を軽く下げた。ランスの様に無礼極まりない言い方では流石に不躾と言うものだろう。
「お初にお目にかかります。私は、ギルド。キース・ギルドに所属している冒険者。名をユーリ・ローランドと申します」
ユーリはそう名乗ると、軽く頭を下げる。 ランスはランスでいつも通り、自分を全くブレる事はない。一国の王女の前で、それも初見で、且つ王女にまでそんな振る舞いをするランスは、流石だと思えた。公私くらいは弁えた方が良いとも思えたが、まだ、グレーゾーンには突入していないだろう。
リア王女も笑顔で聞いていたからだ。
ただ、マリスは無表情で王女の傍で控えていた。ユーリの挨拶を訊き、軽く微笑みながら。
「コロシアム、見てたわ。貴方達、とても強いのね。特に、ユランが負けちゃうなんて、思ってもなかった」
「がはは! あれくらいは楽勝と言うものだ。リーザスの歴史に名を刻む男、それこそが、このランス様なのだ!」
リアの褒めちぎりに、ランスは更に上機嫌になる。
「ユーリさんも、とても強かったわよ。凄い!」
「……光栄ですね」
ユーリは、ただ 頭を軽く下げるだけに留まった。それを見た、リアは軽く笑うと、本題に入る。
「実は、そんな腕利きさんにね、お願いがあるの」
「ほうほう、美人の頼みごとなら、訊くぞ。言ってみろ」
ランスは、そう返事を返し、ユーリは無言だが、頷いた。2人ともが了承したと判断したリアは内容を説明する。
「ふふ、ありがと。実はね、この城下町に私の別荘があるんだけど……最近、そこに幽霊が出るらしいの」
「幽霊が?」
「ええ、そうなのよ。このままじゃ別荘が使えないし……、何とかしてもらえないかしら」
それは単純極まりない頼み事。コロシアムでの戦いを見て、その腕を見込んでの頼みだった。
「ふぅん。……幽霊退治か。いいぞ。幽霊なんぞ、指一本でちょちょいのちょいだ!」
「オレ自身も、特に問題ない」
ランスも、ユーリも頷いていた。だが、解せない部分はある。
「ですが、王宮の兵士達に任せたほうが早いのでは? なぜ、我々なのです?」
その事だ。如何に世界一豊かとされている国、リーザスでも軍は常備されている。そして、ヘルマンとの不仲は有名だ。故に、その程度であれば、こなせない筈が無いだろう。
そのユーリの疑問に、マリスが代わりに答えた。
「……それは、この頼みは、リア様の個人的なものだからなのです。兵達を動かす権限を持ち合わせておりません。リーザス王も大変忙しい身の上なので、ランスさんとユーリさんに頼んだ所存です」
そんな時、ランスがずいっと前へでると。
「そうかそうか。そこで、コロシアムで活躍をしたオレ様。超強くて超格好いいオレ様と、こ
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