暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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盗賊達が使っていた簡易式だと言う事が経験から判別出来た。
 そして、何よりも今は案内人がいる。

(……見)
「どうかしましたか? ユーリさん」

 歩いている途中。マリスは、ユーリが視線を壁の方へと向けていた事に気がついたようだ。何か気になるものでもあったのか、とそう聞いていた。

「いや……。一冒険者であるオレ達がここまで来た事に若干驚いていてな。……コロシアムやカジノ範囲なら兎も角」
「がはは! 何をビビッておるのだ!? これだからg「ガキじゃない」オレ様の話しに割り込むな!」

 2人はまた、言い合いを続けていた。これまでも何度かあるが、いつも容姿関係での事。……これ程言われたら、気にするのも仕方ないと思わずにはいられないマリスだった。

「そうですか。しかし、貴方達は大変優秀な冒険者ですから、私は驚きませんよ?」

 ニコリと笑ってそう言うマリス。だがユーリには、その笑みは作り笑いにしか見えなかった。ランスは別で。

「がははは! 当然であろう! オレ様は超絶優秀な冒険者。空前絶後の英雄だからな!」
「ふふふ……」

 気を良くしたようで、腰に手を当てて高らかに笑いをあげていた。そして直ぐ横で口元に手を当てて同じく笑うマリス。

(……相当な狸だな。この女は)

 ユーリは自然とそう思っていた。
 数多の人間を見てきたユーリにとって、この手の人物は初めてではないが、共通している、決まっているのが、喰えない相手だと言う事。この目の前の女性こそが陰謀渦巻くこのリーザスの頂点か、と思えてしまうほどだった。


 そして、3人は巨大な扉の前へとつく。
 そこは、謁見の間とさほど変わらないほど豪華な作りで大きさも同等。

 リーザス王女の大居室である。





〜リーザス城 王女の大居室〜


 玉座に座して待っていたのはリーザス王女である女性。美しい容姿、そして流れるような長く青い髪。純白なドレスが良く似合い、部屋に入ると微笑、迎えていた。

「あら、ごきげんよう」

 その純白のドレスの両端を摘み上げ、正式な礼儀作法でお辞儀をする王女。

「はじめまして、ランスさん。ユーリさん。リア・パラパラ・リーザスよ」

 優雅に、そう言う王女。
 その振る舞いからも気品に満ちており、姿はまさしくお姫様と言っていいもの。ランスも第一印象・容姿から、完全にロックオンしているようだ。目元がにやけているのが隣でいてよく解る。

「おう。オレ様はランスだ。よろしくな」

 ランスが、その王女の全身を食い入るように見つめた後、更にニヤけ顔になる。品定めでもしていて、相当な点数だったのだろう。

「……」

 ユーリは、流石に素顔を隠しているのは失礼に値するから、
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