第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
[8/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は軽く目を瞑り、そして開いて。
「判った」
「がははは!」
その先は茨の道。
深い闇へと誘われていく気がした。
「ふ……」
だが、何処か笑みも浮かべている自分がいた。
――この程度が闇? 温い。
「どうかなさいましたか?」
その笑みに気がついたマリスは、歩きつつユーリにそう聞いていた。
「いや。……たった一度の大会出場でここまで顔が売れるとは思って無くてな。……フードも新調しなくちゃと、苦笑していたんだ」
ユーリは軽くフードの先を摘み 深く被るようにし、弾いて元の位置へと戻した。痛みすぎている。しっかりと 表情を隠しきれていないのだ。
「あ……、いえ、私は貴方様のお顔は素敵だと思いますよ。ええ。歳相応ですとも。19歳ですから」
マリスから、年齢を口に出された瞬間、場が凍りついた。いや、ユーリの中で何かが凍りついたのだ。 先ほどまで、上機嫌だったランスも、即座に食いついた。
「なぬ!! ショタコンだとでも言うのか? マリスは!!」
そう、ユーリに興味がある、素敵だという言葉から、様々な事を連想させた様だ。勿論、凍っていたユーリだったが、そこまでいわれて黙っている筈も無い。
「って、誰がショタだコラァ!!」
ランスの言葉に思わずつっかかるユーリ。
それと同時に、ユーリは思う。確かにマリスは、外面は本当によさそうだ。外交的、とも呼べるだろう。だが、その奥に秘めているモノ、腹の底が黒そうな女にそういわれても……。 いわれても……。
「(嬉くなんか……。年齢も、絶対に調べていた筈だ……。そうだ。絶対。……その筈、……だよな?)」
ランスに怒鳴っていた筈なのに、いつの間にか黙り込んでしまっているユーリ。
「なにやってんだお前は……」
「……うるさいな」
「………ぁ」
歳の話題が出てから、ちゃんと年齢を言ってくれてから、ユーリは軽く顔をペチペチと叩いている。 その姿をランスに見られ自分が少し情けなく感じてしまい。
マリスは逆に、決して演技ではなく素で、ユーリの事が可愛いと思ってしまっていた。
〜リーザス城内〜
その後、城内へと案内される2人。
構造自体はさほど複雑ではないが、歩いている時違和感に気がついた。
(……これは、結界。だな。侵入者避け迷路タイプのものだ。成る程 あの盗賊団のとは一味も二味も違いそうだ)
ユーリはそう確信する。目を凝らしてみてみれば、空間が歪んでいる事が一瞬だが感じ取れた。恐らくは術者もしくは、解除の術を知っている者以外は、目的地へと向かう事は無理だろう事も。だが、さして気にする程の事でもない。術者が常にいるタイプではなく、あの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ