第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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ゃみは、あまりいい噂をしているのではない、だったか?)」
ユーリは、そんなランスを横目で見つつ、そう考える。
「がはは。二連発とはな。いい男には噂が絶えないと言うものだ。まったく」
なんでもポジティブに考える男、ランス。ユーリはその気概だけは見習わないといけない、と思いつつ ため息をしていると。
「ひっっきし。……くしゅんっ しゅんっ」
小さいくしゃみが二度、三度と出てくる。口元を直ぐに抑えたからこそ、ランスには訊かれなかった。
「(三度連続は……ん。なんだっけ?)」
ユーリは、以前に真知子に訊いた事がある話を思い出そうと思っていたが、思い出す事が出来ない為、直ぐに忘れ去った。
そして、《ふらんだーす酒場》へと足を進める2人。
何だかんだ言っても金銭的に余裕のあるユーリが結局は支払うのだろうと、予測は出来ていたが……、この次の展開は予測できなかった。
「あの、すみません。少しよろしいですか?」
後ろから突然声をかけられたのだ。
声色からして、女性。振り返って見ると、白い薄いローブを羽織った美しい緑色の髪の女性。そのローブの性能は高そうであり、高級ローブであろう事は直ぐに解った。これまで街中で見た事のなかったため、王宮関係者だろうかとユーリは思った。
「少し、お時間をいただけませんか?」
「おおっ! 長身美人ではないか。構わないぞ。がはは」
「貴女は?」
「私はこのリーザスで王女の侍女をさせていただいている、マリスと申します」
名乗ったその時、ユーリは表情には出さず内心で笑みを浮かべた。垂らした釣糸に喰いついた獲物はでかそうだ。
「先ほどのお2人のコロシアムでの戦い。大変お見事でした」
優雅な仕草だが、礼儀正しさも一目でわかる程の姿勢で頭を下げていた。
「王女の侍女……。……大層な身分の人が一冒険者であるオレ達に何か?」
ユーリはそう返す。
所々、棘があるような言い方だが、この手の相手は頭の回転も速く、喰えない人物だと言う事を直感したようだ。そして、誘拐犯とつながりが無いともいえない。
しかし、あのコロシアムで、相当顔と名は知れているから本当に無関係かもしれない。だから、話しには集中して聞いていた。
「申し訳有りません。コロシアムで貴方方の腕は拝見いたしました。その腕を見込みまして、お力をお借りしたい事がありまして。……少し、お話させていただきたいのですが、構いませんか?」
「ほほぅ……。がはは! いいぞいいぞ! 君の様な美人の頼みならいくらでもな! 大歓迎だ! (90点は軽く超えているぞ! がははは!)」
「ふふふ。ありがとうございます。そちらの方は、よろしいでしょうか?」
「ああ。連れが興奮している
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